アリババが中国クラウド市場首位 2020年第1四半期

アリババ、華為(ファーウェイ)、テンセント、バイドゥの4社は、2020年第1四半期の中国のクラウドインフラサービス市場の81%を支配しており、コロナパンデミックで在宅勤務、オンライン教育、デジタルエンターテインメントのクラウドサービスの需要が増加したことを受け、成長を加速している。

調査会社Canalysの報告書によると、4社のうち、アリババクラウドが最大の勝者で、中国市場の44.5%を支配し、期間中に全体で前年同期比67%増の39億ドルに成長したという。

第2位のクラウドサービスプロバイダーはHuawei Cloudで、四半期の市場シェアは14.1%で、テンセントクラウドがこれに続き、2019年第4四半期の市場シェアは18%から13.9%に低下したことが報告書で明らかになった。Baidu AI Cloudは市場シェア8.6%で4位だった。

中国のクラウドサービスへの支出は、今年の1~3カ月間で世界全体の12.5%を占め、1年前より2.5ポイント増加した。Canalysは、コロナウイルスによるロックダウンの下、多くの企業がリモートワークツールを採用したことや、学生がオンライン学習システムを利用したことがシェアの増加につながったとしている。2020年の第1四半期において、中国は米国に次ぐ世界第2位のクラウドサービス消費者であったと報告書は付け加えている。

Canalysは、中国政府が技術主導の経済変革を加速させるために利用したいと考えている「新しいインフラ」に賭ける姿勢を受けて、中国のクラウドサービスに対する需要は今後12ヶ月間も勢いを増し続けると予測している。「新しいインフラ」とは、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、ロボット工学、5Gなどを含む技術や科学に基づいた開発を支援するプロジェクトを指す。

政府主導の「新インフラ」キャンペーンは、中国のハイテク企業の間で話題を呼んでいる。4月には、アリババはクラウドインフラに2000億元を投資する3年間の計画を発表した。その1ヶ月後には、テンセントがクラウドコンピューティング、5Gネットワーク、ブロックチェーン、AI、IoTなどのハイテク分野に今後5年間で5000億元を投じる計画を発表した。

Photo by Alibaba