Esperanto、1,100個近いRISC-Vコアを搭載したMLチップを発表

8日開催されたRISC-Vサミットにおいて、Esperanto TechnologiesのCEOであるArt Swiftは、オープンソースのRISC-Vアーキテクチャをベースとした約1,100個の低消費電力コアを搭載した、機械学習向けの新しいRISC-Vベースのチップを発表した。HPC Wireが報じた。

ET-SoC-1と呼ばれる新しいチップには、2種類の汎用64ビットRISC-Vコアが搭載されている。1つ目は、スーパースカラーのアウトオブオーダーコアであるET-Maxion(チップあたり4個)、2つ目は、機械学習アプリケーション用の大規模コプロセッサを搭載した「よりクリーンでエネルギー効率の高い」インオーダーマルチスレッドコアであるET-Minion(チップあたり1,089個、サービスプロセッサ1個を含む)である。

このチップの238億個のトランジスタは、TSMC社の7nmテクノロジーによって配置されており、ハイパースケールなデータアプリケーション(特に推論)を想定している。 スウィフトによると、このチップは汎用アーキテクチャを採用しており、時間の経過とともにMLモデルが進化することで導入される可能性のある非互換性から顧客を守ることができるという。

Swiftが説明したところによると、データセンターアプリケーションでは、ET-Maxionコアは、付随するIntelやAMDのホストCPUによって上書きされる可能性が高いが、エッジアプリケーションでは、コストを低く抑えるためにMaxionの方がはるかに重要になる。

チップはPCIe 4.0とDDR4x RAM(最大32GB)をサポートしており、Swiftは、1枚のPCIeカードに最大6個のチップを搭載できると述べている。例として、Swiftはワークショップで、6個のET-SoC-1チップを搭載できるオープンソースのGlacier Pointカードを披露したという。

まだ物理的なシリコンは使っていませんが、Swiftはチップのエミュレーションに基づいたデータを共有した。「データセンターで現存するソリューションの実際の測定された性能と比較してみると、推薦ネットワークのような主要なワークロードでは50倍、画像分類では現存するソリューションの最大30倍の性能が期待できることがわかった」と主張している。