スウェーデンの鉱業問題、EUの国産電池推進を阻む
EUは2年前、スウェーデンの膨大な鉱物資源に注目した。しかし、長い許認可の枠組みや地元の熱心な反対運動により、プロジェクト実施の見通しはこれまで以上に不透明になっていると、鉱山関係者は指摘する。

(ブルームバーグ) -- タルガ・グループは、年間200万台の電気自動車(EV)を駆動するのに十分な材料を供給し、大陸の中国への依存を減らすことができるスウェーデンの黒鉛鉱山の推進を10年以上待ち続けてきた。
しかし、いくつかの進展の兆しがあったにもかかわらず、環境認可のための裁判が2月まで延期されたため、オーストラリア企業はヌナスヴァーラ・サウス鉱区で再び手詰まり状態になっている。この遅いプロセスは、2011年以来、このプロジェクトを試掘段階にとどめている。
タルガの最高執行責任者であるマーティン・フィリップス氏は、「我々が直面している基本的な問題は、この無制限の待ち時間があることだ」と語った。同社は、再生可能エネルギーで稼働する鉱山と精錬所から得られる黒鉛で、世界で最も環境に優しいEVの電池正極ができると述べている。「スウェーデン当局の決定を待つ間、資金を調達し続けなければならないのです」。
EUは2年前、スウェーデンの膨大な鉱物資源に注目した。その中には、EUがEVの電池などグリーンテクノロジーの目標達成に不可欠と考える30の原材料のうち、約半分が含まれているのだ。サプライチェーンの障害や地政学的緊張が自給率向上を促す中、EU域内から調達することで中国への依存を軽減することができる。
しかし、長い許認可の枠組みや地元の熱心な反対運動により、プロジェクト実施の見通しはこれまで以上に不透明になっていると、鉱山関係者は指摘する。