風力、太陽光、EVが日本の最も安価なネットゼロへの道筋[ブルームバーグ]
2017年11月17日金曜日、兵庫県淡路市にあるBanpu Power Pcl太陽光発電所のソーラーパネルの隣に立つ風力タービン。Banpu Powerは日本で13の太陽光発電プロジェクトを所有している。写真家: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

風力、太陽光、EVが日本の最も安価なネットゼロへの道筋[ブルームバーグ]

BloombergNEF(BNEF)のレポートによると、日本が2030年の排出削減と今世紀半ばのネットゼロの目標を達成するための最も安価な方法は、風力発電や太陽光発電、電気自動車(EV)といった成熟したクリーン技術を導入することだという。

(ブルームバーグ) — BloombergNEF(BNEF)のレポートによると、日本が2030年の排出削減と今世紀半ばのネットゼロの目標を達成するための最も安価な方法は、風力発電や太陽光発電、電気自動車(EV)といった成熟したクリーン技術を導入することだという。

この分析は、アンモニアと水素を混焼し、排出ガスを回収することで、2050年まで石炭火力発電とガス火力発電を延命させるという、日本が打ち出した移行経路とは対照的である。

日本の気候変動政策は、地球を温暖化させている二酸化炭素やメタンの排出源である化石燃料からの脱却やクリーンエネルギーへの転換を進めている主要7カ国(G7)の中でも、異端な存在である。ブルームバーグと金融システム・グリーン化ネットワークがまとめたデータによると、日本の現在の排出削減軌道は、2050年までにネットゼロを達成するために2030年までに必要とされるものから最も大きく外れている。

日本はネット・ゼロへの道筋でG7諸国に遅れをとる|各国の炭素排出量と今世紀半ばの気候目標に向けた道筋

火曜日に発表されたBNEFのNew Energy Outlook Japan報告書によると、日本は2010年から2022年にかけて化石燃料の輸入に1兆8,000億ドルを費やしており、これは年間平均でGDPの3%以上に相当する。

「日本がこの支出の一部を、太陽光、風力、電気自動車などの成熟したクリーン技術の導入に振り向けることができれば、排出量を削減し、エネルギー安全保障を強化すると同時に、より多くの国内経済機会を創出することができる」と、アナリストのデビッド・カンは報告書の中で述べている。

今年G7サミットを主催した資源の乏しい日本は、2050年までにエネルギー安全保障とネット・ゼロを達成するための様々な選択肢の必要性を繰り返し強調してきた。これには自然エネルギーだけでなく、天然ガスなどの化石燃料や、炭素の回収・貯留・利用、火力発電所でのアンモニアと水素の混焼など、まだスケールアップしていない技術も含まれる。

同国は、発展途上国も炭素排出削減目標を達成するために多様な道筋が必要だと主張している。

BNEFによれば、日本の自然エネルギーの可能性を引き出す鍵は、風力発電や太陽光発電の開発業者が最も必要とする場所にクリーンな電子を供給しやすくするために、日本の送電網への投資を強化することだという。東京や大阪のような需要の中心地を、北の北海道近郊で期待される洋上風力発電や南の九州地方での太陽光発電のような再生可能エネルギー開発に接続できるようにすることは、日本の再生可能エネルギーの可能性を最大化するために極めて重要である。

BNEFが作成した移行シナリオでは、日本が発電部門を脱炭素化するのに十分な風力、太陽光、バッテリーを完全に統合するためには、2022年から2050年の間に4893億ドルの送電網投資が必要とされている。現在の政府の試算では、今世紀半ばまでの地域間送電網への投資額は270億ドルから405億ドルと見積もられている。

Wind, Solar and EVs Offer Japan Cheapest Net Zero Climate Path

By Shoko Oda

© 2023 Bloomberg L.P.

翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ

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