
FRB、量的引き締めに備える
量的緩和(QE)は、かつて金融政策の非伝統的な手段であったが、この10年間で一般的なものになった。米連邦準備制度理事会(FRB)は借入コストを低く抑えようと、大恐慌の間だけでも33億ドルもの国債と13億ドルもの住宅ローン担保証券を購入したのである。その逆で、中央銀行がバランスシートを縮小する量的引き締め(QT)は、はるかに稀なことであった。中央銀行が本当に試みたのはFRBだけであり、市場の混乱により2019年に突然停止せざるを得なかった。そのため、4月6日に公表された3月の会合議事録に記された資産圧縮計画は、比較的未知の領域に踏み込むものである。
ジャネット・イエレンはFRBを率いていた時、QTをペンキが乾くのを見るようなものだと例えていた。イエレン議長の後任のジェローム・パウエルは、QTはバックグラウンドで機能すると言っている。実際には、経済の補助的なエンジンを解体するようなもので、その結果についてはぼんやりとした認識しかない。
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