吉利の人工衛星工場が稼働承認、年間500機以上生産へ

中国の自動車メーカー吉利集団の衛星工場であるスタースマートは、中国国家発展改革委員会から商業衛星製造の認可を受けたことで、同工場が人工衛星の量産を開始できることになった。

航空宇宙製造能力と自動車製造能力を兼ね備えた民間企業が主導する中国初の商業衛星生産拠点となる。工場では現在、最初の設備が稼働しており、今年10月から生産を開始する予定で、年間生産能力は500機以上の人工衛星を生産する。

工場は浙江省台州市にあり、事業内容は衛星の研究開発、基幹部品製造、試験、輸送・制御、航空宇宙材料、クラウドコンピューティング材料などとなっている。

同プロジェクトでは、衛星生産能力だけでなく、衛星データ運用センターと衛星計測制御センターを設置し、同社の周回衛星のデータ処理・解析・管理、コンステレーション制御、軌道予測、衛星状態監視、健康状態診断などの機能を実現する。

2019年に吉利の子会社によって設立されたスタースマートが扱う予定の製品には、主に通信とナビゲーションに使用される商業衛星とカスタマイズされた衛星が含まれている。

同工場は、自動車産業の工業化と自動化された生産モデルを組み合わせて、スケーラブルで柔軟性があり、インテリジェントなパルス生産ラインを構築している、と安聡慧総裁兼CEOは述べている。

吉利によると、全方向転送プラットフォーム、共同ロボット、自動組立プラットフォーム、多機能テストプラットフォームと他の先進的なツーリングを持っており、超小型衛星の短い開発サイクル、急速な技術更新、高機能密度などの業界の開発ニーズを満たすことができ、製造業チェーンの中国の商業化衛星を改善することができる。