Google、FBが競合製品開発を見送る代わりに便宜図ったか

14日、テキサス州のケン・パクストン司法長官率いる州司法長官連合は、Googleに対する反トラスト法違反の第3次修正訴状を公開し、デジタル広告市場でのフェイスブックとの共謀疑惑について詳細を明らかにしました。

11月に提出された最初の訴状では、2社間の広範な共謀が疑われており、特にコードネーム「Jedi Blue(ジェダイ・ブルー)」と呼ばれる共同プロジェクトでは、Googleがフェイスブックに情報だけでなく、オークションでの優位性を与える代わりに、フェイスブックが独自のヘッダー入札製品を作らないことに合意したものです。

ヘッダー入札は独立系ディスプレイ広告会社がGoogleの圧倒的な市場支配力を交わすため考案したテクニックで、Googleにとっては常に看過できない存在でした。フェイスブックはアプリ広告では成功を収めたものの、ウェブ広告ではGoogleに苦杯をなめさせられており、ヘッダー入札でのウェブ広告への進出が噂されたことがあります。

14日の訴状によると、ジェダイ・ブルーの取引は、両社の最高レベルで検討され、サンダー・ピチャイ、シェリル・サンドバーグ、マーク・ザッカーバーグが個人的に関与していたことがわかりました。サンドバーグは、ザッカーバーグに宛てた電子メールの中で、CEOに対して「戦略的に大きな問題です」と述べています。なお、この訴状では、ザッカーバーグとサンドバーグの名前は伏せられており、役職名で呼ばれています。

訴状では、ヘッダー入札によってGoogleの利益率が20%から5%程度に低下する可能性があり、それによってGoogleが手数料を正当化する能力が脅かされると書いた、Googleの幹部(匿名)が送ったメールが参照されています。

Googleはその後、ヘッダー入札を潰すための計画を練ったと言われています。その計画とは、パブリッシャーが在庫を同時に複数の取引所に流すことができるオープンビッディングなど、自社の立場を守るためのパートナーシップやソフトウェアの開発です。

訴状によると、Googleは、ヘッダー入札の導入が広まることで、十分な数の買い手が同社の手数料を回避できるようになれば、広告サーバーの独占が長期的に脅かされることを恐れていたようです。

Googleの広報担当者であるピーター・ショッテンフェルズは、この訴訟をパクストンによる無様な法的手段であると14日に否定しました。Googleは、今週、裁判官に訴訟の却下を求めるといいます。

ショッテンフェルスは「パクストン司法長官が3度にわたって訴状を書き直そうとしたにもかかわらず、不正確な記述が多く、法的なメリットがありません。当社の広告技術は、ウェブサイトやアプリがコンテンツに資金を供給するのに役立ち、中小企業が世界中の顧客にアプローチすることを可能にします。オンライン広告では活発な競争が行われており、それによってアドテクノロジーの料金が下がり、メディアや広告主の選択肢が広がっています」とPoliticoに対して述べています。

今回の訴状の法的な意味合いはまだ議論されておらず、通常のビジネス慣行と反競争的行為の区別は法廷で議論されると想定されます。しかし、各州の司法長官は、2つの巨大広告企業が協調的な複占(デュオポリー)を行っている状況を浮き彫りにすることに成功しています。

Googleはこれまで、テキサス州が主導した訴訟の主張を強く否定しており、経済政策担当ディレクターのアダム・コーエンは2021年のブログ投稿で「誤解を招くような攻撃」と述べていました。