インテル、IoTやエッジワークロード向けに設計されたチップの詳細を発表

インテルは23日、デジタルサイネージ、インタラクティブキオスク、医療機器、ヘルスケアサービスロボットなどのエッジコンピューティングのシナリオに合わせた新製品の発売を発表した。第11世代インテル・コア・プロセッサ、Atom x6000Eシリーズ、Pentium、Celeron N、Jシリーズは、新しいAIセキュリティ、機能安全性、リアルタイム機能をエッジの顧客にもたらし、将来の革新的なアプリケーションのための基礎を築くとチップメーカーは述べている。

インテルは、エッジ市場が2024年までに650億ドルのシリコンチャンスになると予想している。この領域における同社自身の収益は、2018年には95億ドルに20%以上成長している。そして、2020年のIDCレポートによると、3年以内に全企業の最大70%がエッジでデータを処理することになるという。これまでにインテルは、Accenture、Bosch、ExxonMobil、Philips、Verizon、ViewSonicを含む1,200社以上のパートナーからなるエコシステムを育成し、「ほぼすべての業界」で15,000件以上のエンドカスタマーの導入実績があると主張している。

インテルが9月上旬にプレビューした第11世代Coreプロセッサは、高速処理、コンピュータビジョン、および低レイテンシの決定論的処理を必要とするモノのインターネット (IoT) の使用例のために強化されている、と同社は言う。シングルスレッドのワークロードでは最大23%の性能向上、マルチスレッドのワークロードでは19%の性能向上、グラフィックスのワークロードでは前世代と比較して最大2.95倍の性能向上を実現している。新しいデュアル・ビデオ・デコード・ボックスにより、プロセッサは最大40本の同時ビデオ・ストリームを1080pで30フレーム/秒まで取り込み、4Kビデオを4チャンネルまたは8Kビデオを2チャンネル出力することができる。

インテルによると、第11世代Core i5のSuperFinプロセスの改善、その他のアーキテクチャの強化、インテルのOpenVINOソフトウェアの最適化を組み合わせることで、CPUモードを使用した場合、第8世代Core i5プロセッサと比較して1秒あたりの推論が50%高速化され、GPU加速モードを使用した場合、推論が最大90%高速化されるという。インテルによると、第11世代Core i5は、各製品のCPUだけで実行した場合、第8世代Core i5-8500と比較して、1秒あたりの推論速度が最大2倍になるという。AI推論アルゴリズムは、最大96個のグラフィック実行ユニット (INT8) で実行することも、畳み込みニューラルネットワークベースのアルゴリズムを高速化するためのIntelのAVX-512プロセッサ命令セットの一部であるx86拡張機能であるVNNIを内蔵したCPUで実行することもできる。

Atom x6000Eシリーズ、Pentium、Celeron N、Jシリーズについては、インテルは、これらがIoTのために特別に強化された初のプロセッサ・プラットフォームであると述べている。4つのプロセッサはすべて、最大2倍のグラフィックス性能、専用のリアルタイムオフロードエンジン、強化されたI/Oとストレージ、アウトオブバンドとインバンドのリモートデバイス管理を実現する。Intel Programmable Services Engineを提供する。また、2.5GbEのタイムセンシティブなネットワーキング・コンポーネントや、最大3台のディスプレイで60フレーム/秒で4Kまでの解像度をサポートし、ハードウェアベースのセキュリティを内蔵したベースラインの安全性要件を満たしている。

インテルによると、すでに90社のパートナーが第11世代Coreソリューションの提供を約束しており、インテルAtom x6000Eシリーズ、インテルPentium、Celeron N、Jシリーズでは最大100社のパートナーがロックインしているという。

Image Credit: Intel