来年のiPhone14にTSMCの3nmシリコンは間に合わない−The Information報道

多くのアナリストは、来年のApple製品には新しい3nmシリコンが搭載されると予想しているが、最近のThe Informationの報道によると、それは実現しないかもしれない。

iPhone 13に搭載されているA15プロセッサーは、5nmプロセスで製造されている。TSMCは、3nmの製造技術への移行を進めているが、生産上のいくつかのハードルに直面しており、プロジェクトの遅延が危惧されている。

もしiPhone 14に3nmの新しいチップが搭載されれば、Appleは「サイズを劇的に大きくすることなく、よりパワフルでエネルギー消費の少ないプロセッサーを端末に搭載することができる」としている。しかし、TSMCのプロセッサ縮小は、来年のiPhone 14には間に合わないと見られている。

The InformationのWayne Maは TSMCの苦戦の結果、iPhoneのプロセッサは、来年を含めて3年連続で同じチップ製造プロセスに留まることになるという。

財務上、TSMCとAppleの関係は信じられないほどの相互依存関係にあると言われている。報道によると、Appleは、昨年のTSMCの総収益480億8,000万ドルのうち4分の1を占めているという。これは、両社が最初に大きく協力し始めた2013年の総収益214.3億ドルから大幅に増加している。

また、AppleはTSMCから「VIP」待遇を受けていると言われている。多くのVIP顧客と同様に、Appleは特に要求が厳しい場合がある。あるTSMCの元エンジニアによると、TSMCが2020年にiPhone 12のプロセッサの製造問題に直面した後、Appleは契約の総額を上げずにチップをもっと供給するよう圧力をかけてきたという。

Appleは提携初期に、地震リスクへの懸念から、台湾南部の都市・高雄に少なくとも1つのチップ工場を追加で建設するようTSMCに求めていたと、Appleのチップ担当元幹部が語っている。今年の初め、TSMCは同市での工場建設に前向きであると述べていた。

The Informationのレポートは、両社の元従業員によれば、AppleとTSMCの関係は「ほぼ良好」であると結論づけている。