バブル崩壊から30年を経て日本が「大学ファンド」を立ち上げた背景
2022年2月17日、東京の首相官邸で記者会見する岸田文雄首相(中央). Photographer: David Mareuil/Anadolu Agency/Bloomberg

バブル崩壊から30年を経て日本が「大学ファンド」を立ち上げた背景

大学ファンドは、日本が長年直面してきた技術革新の低迷を解決する試みだ。日本の「ユニコーン」は米国より顕著に少なく、競争環境の変化は日本のイノベーションが大企業に集中しているという弁解の説得力を失わせている。

フィナンシャル・タイムズ

1980年代のバブル崩壊から30年近く、日本は官民ともにイノベーション力の低下に頭を悩ませてきた。しかし、その警告の緊急性は、直接的に行動に移されることはあまりなかったように思われる。

しかし、その状況は変わりつつある。この春、日本初の大学ファンドが正式に発足した。この種の基金としては世界最大の10兆円(820億ドル)の巨額なもので、現在この基金の運営に携わっている人々によれば、日本がイノベーション競争力により真剣に取り組む必要があることを明確に認識しているとのことである。

この基金の設立は、世界的なトップレベル大学の育成計画とともに、日本がイノベーションに資する財政的、構造的、規制的環境を整えることが切実に必要だという考えに基づいた数多くの取り組みの一つである。そして、政府のさまざまな部門で繰り返される議論によれば、世界最速の高齢化社会である日本が直面する問題の解決に向けられるべきである。

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