
田舎町の下水道民営化入札にテック企業並みのプレミアムがつく理由 - Liam Denning
バイオテクノロジー、ソーシャルメディア、暗号通貨は、資産価格が異常なほど上昇するいつものホットスポットだ。しかし今年は、米国の買収案件の中で最も高い評価額が提示されたのが、ペンシルベニア州の小さな町工場の下水道システムである。
(ブルームバーグ・オピニオン) -- バイオテクノロジー、ソーシャルメディア、暗号通貨は、資産価格が異常なほど上昇するいつものホットスポットだ。しかし今年は、米国の買収案件の中で最も高い評価額が提示されたのが、ペンシルベニア州の小さな町工場の下水道システムである。
時価総額で世界最大の電力会社であるネクストエラエナジーは6月、フィラデルフィアの北約30マイルにある人口約1万8,000人のコミュニティ「タワメンシン・タウンシップ」(アメリカ合衆国ペンシルベニア州モンゴメリー郡)の下水道システムを買収すると発表した。買収額は1億1,500万ドルで、1,690億ドルと評価されている企業にとっては小銭程度の額である。しかし、売上高の21倍という数字は、今年発表された米国の2つの買収案件(いずれもバイオテクノロジー分野)を除くすべての案件よりも高い倍率を提示している。
このことは、疑問を投げかける。なぜ電力と再生可能エネルギーの大企業が、ペンシルバニア州の下水道にプレミアムを支払うのだろうか? また、そもそもなぜこの町は最大の資産を売却するのだろうか? その答えは、戦略、州の民営化法、小さな町の政治、そして水から得られる利益を融合させたものである。