
サウジ皇太子肝いりの未来都市NEOMは「中東版恒大集団」か
サウジ皇太子が紅海沿いに構想する未来型都市NEOMには財政的な問題は存在しない。この国の根本的な現実が問題なのだ。デフォルトに陥りかねない中国恒大集団のサウジアラビア版となる可能性を秘めている。
(ブルームバーグ・オピニオン) – サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が紅海沿岸で開発中の未来型都市「ネオム(NEOM)」は、すべてが空想的な印象を与えている。
空飛ぶエレベーター、100マイルの超高層ビル、浮遊するゼロカーボン港など、SF以外の都市形態というよりも、コルサント(『スター・ウォーズ』に登場する惑星)やワカンダ(『ブラックパンサー』の舞台となるる超文明国家)の影響を受けているように思えるのだ。
NEOM社の財務内容も超一流だ。2030年までの第1期プロジェクトの費用は1兆2,000億リヤル(約42.3兆円)で、その半分はサウジアラビアの政府系ファンドである公共投資基金から提供されると、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は今週、ジッダで記者団に語った。2030年までに、「ザ・ライン」と呼ばれる横長の双子の超高層ビルに約150万人が住むことになると皇太子は予想している。
この記事は有料会員のみご覧いただけます
購読する既にアカウントをお持ちの方 ログイン