米政府、NVIDIAによる中国へのAI学習用半導体の販売を制限

米国政府が8月26日にNVIDIAがGPUのA100とH100の香港を含む中国とロシアへの輸出に対して新しいライセンス要件を課したことが、SECへの提出書類によって9月1日に判明した。

A100、H100およびA100Xを搭載したDGXやその他のシステムも、この新しいライセンス要件の対象となる。

「また、A100とほぼ同等の閾値以上のピーク性能とチップ間I/O性能を達成する将来のNVIDIA集積回路、およびそれらの回路を含むシステムもライセンス要件に含まれる」と申請書は述べている。

米政府は、この新しいライセンス要件により、対象製品が中国やロシアの「軍事的最終用途」または「軍事的最終ユーザー」に使用されたり、転用されたりするリスクに対処すると指摘している、と申請書は述べている。

「新たなライセンス要件は、当社がH100の開発を適時に完了する能力やA100の既存顧客をサポートする能力に影響を与え、当社が特定の事業を中国から移行することを要求する可能性がある」

同社は、これまで59億ドルの売上を見込んでいた中国での潜在的な売上が、今期は4億ドル失われる可能性があると予想している。新ルールはロシアへの販売にも適用されるが、Nvidiaはロシアには顧客はいないと述べている。

近年、米国政府は、米国の技術で作られたチップを中国企業が軍事利用したり、企業秘密を盗んだりすることを懸念し、輸出規制を強めている。

NVIDIAは、一部の中国製輸出を継続するためのライセンスを申請中だが、米国政府が免除を認めるかどうかはわからないと述べた