マスク、OpenAI買収を持ちかけていたという噂が立つ

2018年にイーロン・マスクはOpenAIを自ら率いることを申し出たが、アルトマンや他の共同創業者が断ると、マスクは取締役を退き、巨額の寄付からも手を引いたと米メディアSemaforは報じた。

マスクがOpenAIの取締役を退いたとき、その理由はテスラとの潜在的な利益相反を避けるためとされていた。

マスクは会社から離れたとき、10億ドルの資金を提供するという約束も反故にし、彼が去る前に1億ドルだけ貢献したとSemaforは言う。これによりOpenAIは、画像生成ツール「DALL-E」やテキスト生成ツール「GPT」シリーズのような大規模AIモデルの開発に取り組み、巨額の資金を必要とするようになった。

そこで2019年までに、OpenAIは研究資金を調達するために新たな営利団体を設立すると発表し、すぐにMicrosoftと密接に連携するようになった。Microsoftは数十億の資金とコンピューティング・リソースを提供する一方で、OpenAIの技術を自社製品に使用する独占ライセンスを確保。営利化されたOpenAIの株式の多くを所有している。

OpenAIを去ってから、マスクは同社を率直に批判し始めた。取締役会から離れた1年後、彼は「OpenAIチームがやりたかったことの一部には同意できない」と述べた。2020年には、同社は「もっとオープンであるべきだ」と発言している。

先月、マスクはOpenAIへの批判を強めた。「OpenAIは、Googleに対抗するためのオープンソース(だから「Open」AIと名付けた)、非営利の会社として作られたが、今ではMicrosoftに実質的に支配されたクローズドソース、最大利益の会社になってしまった。私が意図したものとは全く違う」とツイートしている。