
マイクロソフト、OpenAIのGPT-4 AIモデルを米政府機関に提供へ
Microsoftは、さまざまな米政府機関を含む同社のクラウドコンピューティングサービス「Azure Government」の利用者が、ChatGPTを開発したOpenAIの人工知能モデルを利用できるようにする予定だ。
(ブルームバーグ) -- Microsoftは、さまざまな米政府機関を含む同社のクラウドコンピューティングサービス「Azure Government」の利用者が、ChatGPTを開発したOpenAIの人工知能モデルを利用できるようにする予定だ。
OpenAIの最大の投資家であり、同社の技術をBingチャットボットに使用しているMicrosoftは、Azure Governmentの顧客がOpenAIの大規模言語モデルのうち2つを使用できるようになったことを水曜日に発表する予定である。このスタートアップの最新かつ最も強力なモデルであるGPT-4と、それ以前のモデルであるGPT-3を、MicrosoftのAzure OpenAIサービスを通じて利用できるようになる。ワシントン州レドモンドに本社を置く同社は、このプログラムに関するブログ記事を水曜日に公開する予定だ。国防総省、エネルギー省、NASAは、Azure Governmentの連邦政府顧客の1つ。
国防総省の一部で、軍事研究の収集と共有に重点を置く米国国防技術情報センター(DTIC)は、Microsoftの新しいサービスを通じてOpenAIモデルの実験を行う予定だと、DTIC関係者は確認していまる。
MicrosoftはすでにOpenAIモデルを商用クライアントに提供しており、Azure OpenAIサービスはここ数ヶ月で急速に成長している。Microsoftは5月、同サービスの顧客数が前四半期の2,500社から急増し、Volvo AB、Ikea、Mercedes-Benz Group AG、Shell Plcを含む4,500社になったと発表した。水曜日に発表されたこの取り組みは、チャットボット技術を米国政府に広く提供するための大手企業による最初の取り組みとして知られている。
大規模言語モデルとは、膨大なインターネットデータに対して学習させることで、ユーザーの促しに対する人間らしい反応を予測・生成するもので、2022年後半にOpenAIのチャットボット「ChatGPT」が一般公開されて以来、関心が急上昇している。それ以来、大小のテック企業が強力なチャットボットをユーザーに提供し始め、人工知能を規制すべきかどうか、またどのように規制すべきかについて、議会で議論が巻き起こっている。
連邦政府、州政府、地方政府の顧客は、OpenAIのGPT-4およびGPT-3モデルを、研究質問への回答作成、コンピューターコードの作成、現地レポートの要約といった作業に利用できると、Microsoftのビル・チャペルはブログ記事で書いている。チャットのようなインターフェースでモデルを使用できるようになるが、Azure Governmentのユーザーは特にChatGPTにアクセスすることはできない、とMicrosoftの広報担当者は回答した。ChatGPTは、一般的にはAzure OpenAIサービスを通じて利用可能だ。 チャペルは以前、米国国防高等研究計画局(DARPA)に勤務していた。
Microsoftは、OpenAIのモデルを商用クラウドコンピューティングスペースでホストしており、Azureガバメントの顧客が使用するクラウドとは別に、さまざまな特定のセキュリティおよびデータコンプライアンス規則に準拠したクラウドを使用している。
チャペルは、MicrosoftがAzureインフラストラクチャでモデルをホストしているため、モデルに送られるデータはすべてAzure OpenAIサービス内にとどまると書き、Azure Governmentの顧客のデータがAIモデルの訓練に使用されることはないと付け加えた。
Microsoft Is Bringing OpenAI’s GPT-4 AI model to US Government Agencies
By Rachel Metz
© 2023 Bloomberg L.P.
翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ