クアルコム、昨年買収したNuviaの技術を基にサーバーチップ市場に参入か

チップメーカーのQualcommは、同社が昨年スタートアップのNuviaを買収した際に得た技術をもとに、Armサーバーチップ市場への再参入を準備しているようだ。

「匿名の関係者」を引用したブルームバーグの報道によると、Qualcommは「昨年のチップ新興企業Nuviaの買収に端を発する製品の顧客を求めている」そうで、Amazon Web Servicesは Qualcommの製品に注目することに同意した 「最初の企業の1つ」であるという。

AppleはARMチップがスケールアップできることを世界に証明し、ラップトップではIntelやAMDのx86チップより効率的であることを証明した。Amazonのような企業は、ARMのライセンス可能なCPU設計に基づいて、自社製のサーバチップを作り始めてもいる。

Android携帯電話のハイエンドCPUをほぼ独占しているにもかかわらず、Qualcommは実際にはCPUの会社ではない。QualcommのSoCは、Mediatek、Samsung、HuaweiのHiSiliconなど他の多くのベンダーと同じように、ArmのCPUをそのまま搭載している。

Qualcommがトップに君臨しているのは、CPU以外の部分、つまりモデムやセルラーに関する攻撃的なライセンシング手法が主な理由だ。Qualcommは携帯電話の基本特許を十分に保有しているため、携帯電話を販売するには何が何でもQualcommからのライセンスが必要であり、より安価な特許ライセンスを自社製チップにバンドルすることで、競合他社を圧倒することができる。

Qualcommは混載型GPUやモデム設計では存在感を示しているが、システム・オン・チップ(SoC)のCPU部分にはあまり注意を払っておらず、現在、市場のリーダーであるAppleに数世代遅れている。

Qualcommは、サーバー市場において、非CPU企業が突然CPUを売ることになったわけで、その製品は独自のメリットで競争しなければならない。Amazonのような潜在的な顧客がすでにArmチップを構築している。Qualcommが標準的なArm設計よりも優れたCPUを提供できるかどうかは、Nuviaに100%かかっている。

Nuviaは元Appleのチップデザイナーであるジェラルド・ウィリアムズが、他社の著名なCPUエンジニアとともに2019年に設立したArmプロセッサーのスタートアップであった。ウィリアムズは現在、Qualcommのエンジニアリング担当SVPに就任している。