世界のEV保有台数がまもなく2,000万台を突破
東京都内にあるテスラモデル3のショールーム。

世界のEV保有台数がまもなく2,000万台を突破

ブルームバーグNEF(BNEF)の推計によると、6月には、世界で2,000万台のプラグイン車(BEVとプラグインハイブリッド)が路面を走行する。2016年にはわずか100万台のEVしか走っていなかったのが、目覚ましい成長だ。

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ブルームバーグNEF(BNEF)の推計によると、世界は電気自動車(EV)の普及における新たな重要なマイルストーンを通過しようとしている。6月には、世界で2,000万台のプラグイン車(BEVとプラグインハイブリッド)が路面を走行する。2016年にはわずか100万台のEVしか走っていなかったのが、目覚ましい成長だ。

世界のEV保有台数は今年2,500万台を突破|BNEFの予測
世界のEV保有台数は今年2,500万台を突破|BNEFの予測

BNEFの試算によると、2022年後半には、1カ月に100万台近くのEVが世界の車種に加わるという。これは約3秒に1台の割合だ。自動車は、老朽化、磨耗、衝突、バッテリーの劣化などにより、最終的には寿命を全うする。しかし、これはEVの歴史の中で大きな割合を占めているわけではない。世界のEVの大半は過去18ヶ月の間に販売されたものだからだ。BNEFは、2022年末までに2,600万台以上のプラグイン車が走行すると予想している。

この成長スピードは、自動車業界や石油業界の多くの既存企業がほんの数年前に予想していたよりもはるかに速いものだ。例えばBPの2016年の見通しでは、2035年までに7,100万台のプラグイン車が路上を走行すると予想していた。最新の販売データに基づくと、BNEFは現在、それが2025年までに達成されると予想しており、予定よりまる10年早くなっている。

プラグイン車の地域別内訳を見ると、いかに少数の地域が普及の大部分を牽引しているかがよくわかる。中国が全体の46%を占め、次いで欧州が34%。北米は15%で3位に甘んじているが、今年から来年にかけては新たな政策支援によってEV市場が活性化するものと思われる。残りの国々を合わせても、世界のEV保有台数のわずか5%に過ぎない。

世界のプラグイン車のほとんどは完全な電気自動車だが、プラグインハイブリッド車も530万台ある。そのほとんどをヨーロッパが占めている。プラグインハイブリッド車は、欧州で厳しくなっている自動車からの二酸化炭素排出量削減目標の達成に貢献している。BNEFでは、各国政府がプラグインハイブリッド車への補助金を削減し、自動車メーカーが最新の完全電気自動車モデルを展開するにつれ、今後数年で市場がプラグインハイブリッド車から移行すると予想している。

中国、米国、欧州に次ぐ最大の自動車市場である日本では、EVの普及が非常に遅れている。しかし、日本の自動車メーカーが軽自動車という人気のあるセグメントで新しいバッテリー式電気自動車(BEV)を発売すれば、この状況はまもなく変わり始めるはずだ。軽自動車は日本の全販売台数の3分の1を占めている。日産と三菱は今年、ホンダは2024年、トヨタ子会社のダイハツは2025年に軽自動車のEVを市場に投入する計画だ。隣国の韓国でもEVの普及が盛んで、2021年末には販売台数の15%近くを占めるまでになり、国内トップのヒュンダイとキアの強力なモデル展開が牽引している。

いずれは、インド、ブラジル、メキシコ、東南アジアなど、世界の大きな新興自動車市場に注目が移るだろう。これらの国や地域では、まだEVの普及がほとんど始まっていないが、大規模な市場が飽和状態になった後、世界のEV普及が拡大するためには、これらの国や地域が重要な鍵を握っている。しかし、いくつかの明るい兆しも見えている。インドの三輪車市場では、すでに販売台数の50%以上が電動化されている。ベトナムのような東南アジアの市場では、すでに電動二輪車の普及率が比較的高くなっている。また、ラテンアメリカの一部では、電気バスが先行しており、タクシーの電動化にも力を入れ始めている。

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おそらく最も重要なことは、中国のEV市場で販売されているモデルが、新興国の中産階級の消費者にとって、電動モビリティが非常に魅力的であることを示していることだ。今年、中国で最も売れたEVは「宏光 MINI EV」で、販売価格はわずか4,700ドルだ。

中国・柳州市の販売店の外に置かれた「宏光 MINI EV」。カメラマン:Qilai Shen/Bloomberg
中国・柳州市の販売店の外に置かれた「宏光 MINI EV」。カメラマン:Qilai Shen/Bloomberg

このようなモデルが、日本の自動車メーカーによる軽自動車の電動化や、電動バイクや電動スクーターの普及と相まって、世界の他の国々での電動モビリティへの移行を後押しすることになるだろう。他にも利点がある。最近発売されたGMCのハマー電動版が4,000kg以上あるのに対し、宏光 MINIの重量はわずか560kgで、バッテリーパックはその20倍近い大きさだ。バッテリーの原材料費が高騰する中、小型化されたEVは、世界が必要とする持続可能なモビリティ・ソリューションになりそうだ。

今後数年間はEVの普及が目覚ましく進むだろうが、世界の自動車を転換させることがいかに大きな課題であるかを心に留めておく必要がある。BNEFの推計によると、世界中で12億台の小型乗用車が走っている。2022年末には、そのうちのわずか2%強が電気自動車になると予想されている。まだまだ長い道のりだ。しかし、その勢いは増している。

Colin McKerracher, The World's Electric Vehicle Fleet Will Soon Surpass 20 Million. © 2022 Bloomberg L.P.

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