ThreadsはTwitterを完膚なきまでに打ちのめす?[吉田拓史]

Twitterに陰りが見える中、Metaが投入したコピー製品「Threads」が破竹の勢いでユーザーを増やしている。Twitterはこのまま退場してしまうのか。


Cloudflareのマシュー・プリンス最高経営責任者(CEO)は9日、1月から現在までのTwitterのトラフィックが減少していることを示すグラフを投稿した。(Cloudflareの広報が本人であることを認めた)。

プリンスCEOは、投稿において「Radar Rankings」と呼ばれる「データセット」へのリンクを示した。これは、世界および国ごとのインターネット利用状況を反映した、ドメインのトラフィックを追跡したものという。同社はDNSとCDNの最大手の一つであり、データの信頼性は高い。

一方、Meta傘下のインスタグラムの新アプリ「Threads」のユーザー数は10日午後4時(日本時間)時点ですでに1億人を突破した、と見られている。OpenAIのチャットボットは2ヶ月かけて1億人を突破したが、水曜日にローンチしたばかりのThreadsは数日で達成したようだ。データプロバイダーのQuiver Quantitativeが、インスタグラムのページに表示されているスレッドのアカウント番号を使用して生成された推定値だ。

Threadsは、最初の2時間で200万人のユーザーを獲得し、そこから500万人、1,000万人、3,000万人、そして7,000万人へと着実に増加した、と明らかにした。マーク・ザッカーバーグCEOは、この立ち上げは「われわれの予想をはるかに超えている」と述べた。

これはEUを加える前だ。EU加盟国でのAppStoreやGoogle PlayStoreにおけるThreadsのリリースは、規制当局との折衝が終わっておらず不透明である。ただ、一部の欧州のユーザーは迂回路を使って、アプリをインストールしたのかもしれない。

ユーザーは登録するだけでなく、投稿もしている。米メディアThe Vergeのリークされた内部情報を元にした報道によると、6日時点で9,500万件以上の投稿と1億9,000万件以上の「いいね!」がこのアプリで行われていると報告した。

Threadsの立ち上げは、Twitterが未認証のユーザーに対して1日あたりの投稿の閲覧数を限定する措置で混乱を起こす中、行われた。イーロン・マスクの失策により、絶好のタイミングとなった。

Threadの隆盛は、ユーザーに負の側面をもたらす可能性もある。ユーザーデータの収集や広告のターゲティングにおいて、Metaは最も積極的な企業であり、グレーな慣行を指摘されることがしばしばあった。Twitterはこの点において、比較的、調和的だったと言える。