![NVIDIAのAIでの成功を示す5つのグラフ: Tim Culpan[ブルームバーグ・オピニオン]](/content/images/size/w2640/2023/06/398907223.jpg)
NVIDIAのAIでの成功を示す5つのグラフ: Tim Culpan[ブルームバーグ・オピニオン]
NVIDIAはかつて、屑のような弱者だった。シリコンバレーのダイナーで創業したこのグラフィックチップの設計企業は、創業者のビジョンであるスクリーンへの画像表示に特化した独立型半導体を実現するまでに、何度も死に直面した。
(ブルームバーグ・オピニオン) -- NVIDIAはかつて、屑のような弱者だった。シリコンバレーのダイナーで創業したこのグラフィックチップの設計企業は、創業者のビジョンであるスクリーンへの画像表示に特化した独立型半導体を実現するまでに、何度も死に直面した。
インテルやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)といった大企業を凌駕し、先週には時価総額が1兆ドルに達した。しかし、グラフィックは一つの要素に過ぎない。NVIDIAは、その計算のアプローチが、発展途上の人工知能(AI)分野に完璧に適合するという賭けによって、新興企業や大手ハイテク企業がようやくその波に乗ったとき、その仕事に最適な高価なチップを販売するためにそこにいた。
この5つのグラフは、NVIDIAがどのようにしてトップに上り詰めたかを概説している
グラフィックスの描画に使用されるチップは、暗号通貨のマイニングなどの分野から他のカテゴリーであるコンピューティングとネットワーキングが後押しされ、同社の売上を何年も支えてくる。しかし、その後、グラフィックス部門が急減し、コンピュート&ネットワーキング部門がその穴を埋めることになった。

NVIDIAのグラフィックチップは、3Dデザインなどのプロフェッショナルなアプリケーションと並んで、主にゲームに使用されている。しかし、マイクロソフト、アルファベット、OpenAI、アマゾン・ドット・コムなどの企業がAI機能を構築し、それらのサービスをクライアントに提供するために、同社のチップの数がデータセンターに設置されることが増えているのだ。

昨年のChatGPTのリリースにより、生成AI(情報を分析するだけでなく、コンテンツを作成するAI)への関心が熱狂的に高まった。NVIDIAの主導的な立場は投資家の注目を集め、2021年の大暴騰の後に落ち込んでいた株価が戻ってきたのだ。

企業の技術力を評価する一つの方法は、顧客に対する価格決定力を見ることである。そのためには、製品の製造コストに上乗せされる粗利率を見る必要がある。インテルの全盛期は、パソコンとノートパソコンの時代だった。現在では、AIチップとコンピュータの高収益により、記録的な収益性を誇るNVIDIAが王座を占めている。

世界のトップクラスのテクノロジー企業は、AIの波に乗り遅れまいとしているが、その成果を上げるためには、高価な専用サーバーに何十億ドルも費やす必要がある。シリコンバレーの多くが何千もの雇用を打ち切り、多くの役割をAIに置き換えると宣言している今、なおさらだ。

NVIDIAがどれくらいの期間、どれくらいの高値で上昇するかは、大企業や一般消費者がAIブームをどのように取り入れ、適応していくかに大きく左右されるだろう。また、インテルやAMDなど、より多くのパイを奪おうと躍起になっているライバルの先を行く必要があり、Amazon.com Inc.などのクライアントも半導体開発に手を伸ばしている。かつては新興のグラフィックス・チップメーカーであった同社が、現在では王座を占めているかもしれないが、人工知能の世界では、何も保証されないのである。
Charting Nvidia’s 30-Year Ride to Overnight AI Success: Tim Culpan
© 2023 Bloomberg L.P.
翻訳:吉田拓史、株式会社アクシオンテクノロジーズ