トヨタとホンダもロシアから撤退する企業に加わる

トヨタとホンダもウクライナ侵攻後にロシアでビジネスをしないことを選択したフォードやエクソン・モービルに続き、世界的な企業のロシア撤退に参加した。

トヨタとホンダもロシアから撤退する企業に加わる
2014年11月18日(火)、ロシア・モスクワのトヨタ自動車株式会社自動車販売店を出たところで、販売中の新車とすれ違う訪問者。 カメラマン:アンドレイ・ルダコフ/ブルームバーグ

日本最大の自動車メーカーは、ウクライナ侵攻後にロシアでビジネスをしないことを選択しているフォードやエクソン・モービルに続き、世界的な企業のロシア撤退に力を注いだ。

トヨタ自動車は、26日からサンクトペテルブルクの工場での生産を停止し、ロシアへの車両出荷も停止すると発表した。日経新聞によれば、本田技研工業はロシアへの自動車とオートバイの輸出を停止し、マツダはロシアの工場への部品出荷を停止する。

3日、東京では3社の株価が上昇し、マツダは4.9%、トヨタとホンダは少なくとも0.8%上昇した。

「トヨタは、ウクライナの人々の安全に大きな懸念を抱きながら、現在進行中のウクライナ情勢を注視しており、一日も早く平和が訪れることを願っている」と同社は声明で述べている。「また、世界情勢も注視しており、必要に応じて必要な意思決定を行う」

日本のトップ自動車メーカーの行動は、世界第11位の経済大国である日本に対する国際的なボイコットとして形成されつつあるものにさらに重みを加えるものだが、エネルギーや技術など他の主要セクターの企業は、日本での今後の事業活動に対する姿勢についてほとんど口を閉ざしている。

人権や物流、国際的な制裁の影響などを懸念して、世界中の企業がロシア市場からの撤退を進めている。アップル社やナイキ社はロシアでの販売停止を発表し、ユナイテッド航空ホールディングスが毎日運航していたインド行きの便は、今後ロシア上空を通過しないことになった。

日本の岸田文雄首相は、侵略を止めなければ中国が隣国の台湾を攻撃することになるという懸念から、7カ国協議にならって制裁を受け入れたが、台北の当局者はその可能性を否定している。日本は安全保障の面で米国に大きく依存しており、中国やロシアとも領土問題を抱えている。

岸田内閣は、ロシアの一部の銀行を国際金融取引システム(SWIFT)から締め出し、ロシアの中央銀行とプーチン大統領を含む政府関係者の資産を凍結する動きを後押ししている。

この迅速な対応により、今週ジョー・バイデン大統領から岸田氏への賞賛の手紙が出されたと、ラーム・エマニュエル大使が2日に記者団に語った。

「大統領が首相への私信で述べたように、大統領は岸田首相の大胆で果断な行動を大いに評価している」とエマニュエル大使は述べた。「彼の行動のおかげで、もはや欧州だけの対決ではなく、独裁国家に対する民主主義国家の世界的な対決になっている」と述べた。

燃料価格がすでに日本の企業や家庭を苦しめているため、日本の企業は欧米の企業に続いて、ロシアとの石油・ガス共同プロジェクトからすぐに撤退することはなかった。

岸田氏は国会で、政府はこの問題について助言する用意があるが、ロシア東部のサハリンII石油・ガスプロジェクトに関わる企業は、独自の政策決定をしなければならないと述べた。ガスプロムPJSCは国営企業であり、このプロジェクトに50%の出資をしている。

現地市場向けにロシア工場でRAV4とCamryを生産しているトヨタは、サプライチェーンの混乱を理由に、追って通知があるまで生産と出荷の停止を継続すると発表した。

ホンダは、流通と財務の問題を指摘し、状況が正常に戻れば出荷を再開するとしている。NHKによると、ホンダはロシアに工場を持っていないが、米国の工場から年間約1500台のSUVをロシアに輸出しているという。

ソニーはウクライナの販売事務所を閉鎖し、電子機器の販売を停止したと同社の広報担当者は述べ、ロシアではオンラインチャンネルと第三者機関を通じて営業を続けるとしている。同社は、状況の進展に応じて適切な措置を講じると付け加えた。

--Isabel Reynolds、Philip Glamannの協力を得ている。

Angus Whitley. Toyota and Honda Join Growing Corporate Retreat From Russia. © 2022 Bloomberg L.P.

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