Web3ゲームのAxie Infinity、インサイダー取引疑惑を指摘される

ベトナムに拠点を置くゲーム開発会社Sky Mavisは、同社のクリプト(暗号資産)ベースのゲームAxie Infinityを動かすブロックチェーンであるRoninに対する3月のハッキングに関するインサイダー取引を指摘された。同社は疑惑を否定している。

問題となっているのは、約300万ドル相当のゲームのメイントークンであるAXSの不透明な動きである。Sky Mavisがハッキングを受けたことを発表し、ユーザーの資産を事実上凍結する前の数時間に、AXSがRoninブロックチェーンから暗号資産取引所のBinanceに移動された。Asobsと名乗るYouTuberが追跡したところ、トークンはSky MavisのCEO チュン・グェン(Trung Nguyen)が管理するウォレットに辿り着いたとのことだ。

Sky Mavisの広報担当者は、グェンの目的は、暗号コミュニティによってすぐに気づかれない方法で、危機の間に会社の財務を強化することだったとブルームバーグに語っている。一方、AsobsはSky Mavisの従業員のものと思われる財布を他にもいくつか確認しているが、同社はどの財布が従業員のものであるかの確認も否定も拒否している。「お金が動いたことは確認できている」とAsobsは語っている。「唯一の問題は、お金が動いた背景に何があったのかだ」

「発表前の取引の分析は、暗号ベースのゲームに特化した小さなYouTubeチャンネルを運営する人物によって行われ、報復の恐れを理由にスクリーンネーム「Asobs」のみで特定することを要請した」とブルームバーグ・ビジネスウィークのJoshua Brusteinは記述している。Asobsは自分の文書をブルームバーグ・ビジネスウィークと共有し、ブルームバーグ・ビジネスウィークはブロックチェーン分析に詳しいウィンスロップ大学の数学准教授Kristen Abernathyと同大学数学准教授Zach Abernathyと協力して、独自に詳細を確認したという。

二人の准教授が調べたところによると、Asobsが指摘した「不審」な取引は1日のRonin上の取引総額に匹敵する異常な取引だった。他の従業員のウォレットでも同時期に大きな取引を行っているという。ブリッジが閉鎖される前に販売した同社関係者のすべてが、ハッキングが発見される前に短期間で価格が49%増加したAXSを打ったと考えられるという。