いつか「ググる」にも終わりが訪れる
2020年7月24日(金)、米ニューヨークのブルックリンで撮影された、スマートフォンに表示されるGoogleの検索ページ。

いつか「ググる」にも終わりが訪れる

元Google広告部門トップのスリダール・ラマスワミは、Googleの広告モデル、ウェブ閲覧に伴うプライバシー侵害、Googleがいまだに検索を支配している理由などについて話した。彼はGoogleの支配が崩れるシナリオがありうると語っている。

あなたは1日に何回「ググる」でしょうか? 1年ではどうだろうか。Googleが処理する検索回数は概算で年間2兆回以上、検索エンジンの市場シェアは全世界で90%以上と言われている。私たちはGoogleの検索バーを無料で享受しているが、それはコストがかからないということではない。ただ、私たちが商品であることを意味している。

ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストであるパーミー・オルソンは、Twitterスペースで元Google広告部門トップのスリダール・ラマスワミと、同社の広告モデル、ウェブ閲覧にまつわるプライバシー侵害、Googleがいまだにインターネット検索を支配している理由などについて話をした。ラマスワミはGoogleに15年間在籍し、最後の5年間は同社のすべての重要な広告部門を統括していた。彼は2018年に退職し、その後、競合する検索エンジン「Neeva」を共同設立し、月額課金で収益を上げている。ここでは、二人の会話を軽く編集したものを掲載する。


パーミー・オルソン(PO):あなたは検索広告のエンジニアとしてGoogleに入社し、出世して最終的には広告部門と1万人以上のチームを率いるまでになりました。あなたが退職した年、Googleは広告収入だけで1,000億ドルを突破し、そこからさらに数字を伸ばしました。世界で最もパワフルなビジネスの一つを統括していたことは明らかです。なぜ、Googleで広告の仕事をしたくないと思ったのですか?

スリダール・ラマスワミ(SR):幸運にもGoogleに在籍していましたが、15年経って変化が欲しくなりました。私はずっと広告を担当し、非常に大きく、明らかに強力なエコシステムの構築に貢献しました。でも、ソフトウェアエンジニアとして、思想家として、クリエイターとして、自分のルーツに戻りたいという気持ちもあったんです。

また、Googleでの広告には幻滅した面もありました。私たちは皆、自分の仕事に満足したいと思うものです。YouTubeのような複雑なプラットフォームでは、あらゆる種類のコンテンツ(不愉快なコンテンツも無数にある)が存在するため、広告はそれを直接的、間接的にサポートしていると見なされていたのです。特に2017年は物議を醸した年であり、その年の終わりに、私は本当にクリーンな休息が必要だと思いました。

私がNeeva(編注:ラスマワミが創業したサブスクリプション型の検索サービス)を始めたのは、検索という問題が大好きで、よりシンプルでフレンドリーなプロダクトを作りたかったからです。世界初の広告のないプライベートな検索エンジンを作れたことを誇りに思っています。

PO:なぜ、この10年以上、Googleの検索エンジンに対抗する意味のある競合が存在しなかったのでしょうか?

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