Yコン、景気後退を理由にクラス規模を40%縮小

代表的な新興企業アクセラレータのYコンビネーターは、2022年夏のクラス組成において、景気後退と資金調達環境を理由に同社のアクセラレータ内のスタートアップの数を40%縮小したと発表した。

米テクノロジーメディア The Informationが報じた。Yコンビネーターのコミュニケーション責任者は、声明の中でこの縮小を認め、「過去5年間のバッチに比べれば」まだ規模は大きいと述べたという。例えば、2019年夏のクラス組成は175社だったという。

近年、新興企業に対するベンチャーキャピタルの小切手の額が膨らんでいるため、Yコンビネーターは1月に標準的な資金提供契約を50万ドルに増やし、その50万ドルの中で、後の資金提供ラウンドで投資家が決定する評価額で各企業に37万5,000ドルの小切手が含まれるようにした(コンバーティブル・エクイティと呼ばれる方法)。これによって、同社は、毎年プログラムを卒業する何百もの新興企業に対して、より大きな所有権を持つことになった。

米テクノロジーメディアTechCrunchが検証したところによると、現在活動中の2022年夏のクラス組成は約250社を採択し、414社に達した前回の組成から40%減少している。

TechCrunchによると、Yコンビネータ―は今週、創業者たちに宛てた社内メールで、「景気後退の中でも、生きているだけで、かなりの市場シェアを獲得できることが多い」と書いている。このアドバイスは、技術系企業を圧迫している経済不況を乗り切るためのメモに書かれた10個の箇条書きのうちの1つだ。他の目立った箇条書きの一つは「誰も景気がどれだけ悪くなるのか予測できないが、状況は良くなさそうだ」というものだ。

5月、Yコンビネーターはポートフォリオの創業者たちに「最悪の事態を想定して計画する」よう助言していた。

2005年の設立以来、Y Combinatorは3,000社以上に資金を提供し、その価値は現在、総額4,000億ドルに達している(同ウェブサイトより)とされている。