中国住宅市場の回復が鈍化、景気回復へのリスクを示す
中国の住宅市場の売上高は一時的に回復した後に後退しており、世界第2位の経済大国が直面している課題を浮き彫りにしている。約1年半にわたる歴史的な低迷から住宅販売と価格が一時的に回復した後、弱体化の兆しが現れている。

(ブルームバーグ) -- 中国の住宅市場の売上高は一時的に回復した後に後退しており、世界第2位の経済大国が直面している課題を浮き彫りにしている。
約1年半にわたる歴史的な低迷から住宅販売と価格が一時的に回復した後、弱体化の兆しが現れている。中国の不動産セクターは、関連産業を含めると国内総生産の約20%を占めるため、今年の経済成長の見通しにとって重要なカギを握っている。
ここ数週間の高頻度指標では、住宅購入の勢いが衰えている。不動産投資も縮小を続け、消費者は住宅ローンの借り入れに消極的である。北京は住宅ローン金利の引き下げや開発業者への融資規制の緩和など、市場を下支えするための施策を数多く打ち出しているにもかかわらず、このような状況だ。
野村ホールディングスのチーフ・チャイナ・エコノミスト、ルー・ティンは「2月から3月にかけての短期間の回復の後、住宅購入のための溜め込み需要の放出は終わりを告げた」と述べている。「今年の不動産回復は緩やかなものにとどまるだろう」。
鉄鉱石や銅などのコモディティの需要喚起につながるため、このセクターの運命は世界経済にも重くのしかかる。2023年に向けて強気のスタートを切った鉄鉱石(製鉄に使用)は、中国の住宅建設需要が低迷していることが主な原因で、1トン100ドルを割り込んだ。
最近の住宅市場のデータから、5つの警告のサインを紹介する。
1. 新築住宅

中国がパンデミック規制を解除し、感染の波が緩和されてから初めての長期休暇となった5月の労働節の5日間の住宅販売は散々なものだった。データプロバイダーのChina Index Holdingsが追跡している40の主要都市の新築住宅購入は、2019年のパンデミック前のレベルを22%下回った。
昨年と比較すると、販売額は25%増となったが、これは上海などが封鎖されていた2022年との比較のベースが低いことが主な原因だった。