バイトダンス、Metaの1ヵ月前に新型VRヘッドセットを発表へ

バイトダンスのVR子会社である小鳥看看科技(Pico)は、今週、新しいヘッドセットを発表する準備をしている。 同社は17日にリンクトインの投稿で、9月22日にオンラインイベントを開催することを明らかにした。 Picoは「新製品の発表」を約束し、VRヘッドセットのシルエットを投稿し、「私たちが持っているものをお見せするまで待ちきれません」と発表した。

10月に新型VRヘッドセットを発表する予定のMetaに先んじた格好だ。MetaはソーシャルメディアでバイトダンスのTikTokに手厳しくやられている中で、メタバースでも同社の圧力を受けている。バイトダンスが急速にメタバース領域で追い上げていることは、この記事で伝えた。

TikTokはメタバースでもMetaの畑を荒らす
TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)が急速にメタバースへの賭けを増やしている。メタバースでもメタの畑を荒らすことになるだろうか。

このデバイスは、Pico 4またはPico Phoenixのいずれかのブランドで、2つの構成で提供され、Proバージョンは顔および視線追跡機能を提供する予定だ。連邦通信委員会(FCC)への出願書類によると、Android Qを積み、Qualcommプロセッサが搭載される予定だ。

Picoのヘッドセットはまた、複合現実体験のためのカラー・ビデオ・パススルーに使用されるインサイドアウト方式(外部センサー等の設置を行わず、ヘッドセットに搭載されたカメラ等を使ってトラッキングを行う方式)のRGBカメラを装備する予定である。これは、10月に正式発表されるMetaのProject Cambriaヘッドセットと同様だ。

新しいPicoヘッドセットは、同社の現行デバイスNeo 3よりも小型で、より高解像度のディスプレイと鮮明な光学系を搭載する予定。Bluetooth SIGへの提出書類によると、「より正確で快適な視覚体験」のために、人のIPD(瞳孔間距離)に適応するハードウェアIPD自動調整機能も搭載される予定だ。

Neo3 出典:小鳥看看科技(Pico Technology)

IPDとは、両目の瞳孔の中心間の距離のことだ。人それぞれ顔の形や大きさが異なるため、かなりの個人差がある。ユーザー自身のIPDに合わせてVRヘッドマウントディスプレイのレンズとディスプレイの表示領域の距離を調整することで、個人ごとに最適な左目用・右目用の映像を立体視で表示でき、目への負担が少ない快適なVR体験を楽しむことができる。逆に言えば、調整しないと、冒頭のような「見づらい」VR体験になってしまう可能性がある。

バイトダンスは、Pico 4をMetaのVRハードウェアの競合製品として明確に位置づけており、ここ数カ月、Picoを主にエンタープライズVRに焦点を当てた企業から大衆向けハードウェアメーカーに位置づけるための努力を行ってきた。これには、コンテンツ取引や、VRゲームや体験に焦点を当てた社内スタジオ組織の構築も含まれている。