テック企業のPM面接を通過するための最低要件『世界で闘うプロダクトマネージャーになるための本』

原著は、”Cracking the PM Interview: How to Land a Product Manager Job in Technology”(PM面接のクラッキング:テクノロジー企業でPMの仕事を獲得する方法)というもので、邦題は少しいじってあります。

Cracking the PM Interviewは、新興企業や大規模なハイテク企業で製品管理の役割を獲得するための包括的な本です。あいまいな名前の「PM」(プロダクトマネージャー/プログラムマネージャー)の役割が企業間でどのように異なるか、必要な経験、既存の経験を学ぶ方法、優れたPM履歴書とカバーレターの外観、PM面接の質問、および非常に重要な「ピッチ」)などにまで話が及ぶ実用書です。

本書の著者は、ふたりとも大手テクノロジー企業での勤務経験が抱負であり、一人は採用の経験があり、もうひとりはPMの経験があり、この実用書にうってつけの人材です。

著者の一人、Gayle Laakmann McDowellはCareerCup.comの創業者兼CEOであり、2つの本の著者です。彼女はGoogle、Microsoft、およびAppleで働いた経験があり、Googleの「採用委員会」の委員を務めました。彼女はペンシルバニア大学でコンピューターサイエンスの学士と修士を、ウォートンスクールでMBAを取得しています。

もうひとりの著者、Jackie Bavaroは、Dropbox、AirBnB、Uber、Foursquare、Pinterestなどの企業が使用する最新の生産性ソフトウェアを構築する大手スタートアップ、AsanaのPMです。 彼女は以前、Googleのアソシエイトプロダクトマネージャー(APM)プログラムに参加し、またマイクロソフトのプログラムマネージャーとして働いていました。コーネル大学でコンピューターサイエンスの学士号と経済学の学士号を取得しています。

テック企業によってPM、あるいはプログラムマネジャーの位置づけは異なります。Amazonでは、PMの役割にはMBA取得者が好まれます。技術的なバックグラウンドが必須とは考えられていません。Amazonは、新卒者をプロダクトマネジャーとして採用しない、数少ない企業のひとつです。ただし、新卒者をプログラムマネジャーまたはテクニカルマネジャーとして受け入れています。これはプロダクトデザインよりプロジェクトマネジャー寄りの役割と、本書は説明します。

AmazonはPMとテクニカルプログラムマネジャー(TPM)、プログラムマネジャーという区分を採用しているようです。ざっくりいうとPMがビジネスとプロダクトマネジメントを見て、TPMが開発者と密にコミュニケーションをし、その他のオペレーション、ビジネスプロセスをプログラムマネジャーが引き受けるという仕組みです。詳しくはこちらのブログを見てください。

本書によると、Googleの組織はトップダウンの承認プロセスをある程度廃しており、ボトムアップのアプローチを採用しているようです(少なくとも本書執筆時はそのようです。近年は、MBA出身のCEOが組織改革を進めており、状況は異なるようです)。「Googleの組織は、同社の起業のルーツを反映しています。Googleは革新に情熱を燃やし、優れたアイデアを現実にする文化をとても大切にしています。Googleのビジョンはボトムアップで生まれ、エンジニアリング手動でチームが動くことが珍しくありません。プロダクトマネージャーは戦略と分析、そしてエンジニアリングチームの業務の円滑化に力を注ぎます」。

Googleの組織構造は分散的です。PMはその分散的な構造の連携を円滑化する役割が求められています。「多くのプロダクトではPMは1人しかいません。複数のPMがいるプロダクトでは、通常は業務が明確に分割されて、各PMがひとつの範囲の全体を担当します。GoogleのPMとして日々の仕事では、エンジニアリングチームやデザイナーと最も密接に連携します。PM、エンジニア、デザイナーはホワイトボードに描きながらたくさんのアイディアを出します。そして、すぐにプロダクトを作ります」。詳しくはこちらのブログを見てください。

FacebookのPMは独特で、主に起業家的な役割を求められます。このため、PMには元起業家が多分に含まれています。「Facebookは技術力が高く起業家精神を持ったPMを求めます。Facebookではプロダクトマネジャーの誰もがコードを書くこと(少なくとも基本を学ぶこと)を期待されていて、6週間のFacebookブートキャンプを経験します。これはPMとエンジニアがツールについて学びバグを修正するプログラムです。これは、なんでも自分でやる企業文化にふさわしいものです。PMが自分の担当プロダクトの初期プロトタイプを自分でコーディングすることは、めずしくありません」。

「Facebookは技術力が高く起業家精神を持ったPMを求めます。Facebookではプロダクトマネジャーの誰もがコードを書くこと(少なくとも基本を学ぶこと)を期待されていて、6週間のFacebookブートキャンプを経験します。これはPMとエンジニアがツールについて学びバグを修正するプログラムです。これは、なんでも自分でやる企業文化にふさわしいものです。PMが自分の担当プロダクトの初期プロトタイプを自分でコーディングすることは、めずらしくありません」。

詳しくはこちらのブログを見てください。あるいはFBでPMを務めた著者による『サルたちの狂宴』を読むのもいいかも知れません。