直接上場の衝撃 Axion Podcast #35

Axion Podcastは、テクノロジー業界の最新トレンドを、元DIGIDAY編集者で起業家の吉田と280万会員の写真を扱うベンチャーの事業統括者の平田でディスカッションする対話形式のラジオです。Apple PodcastSpotifyGoogle PodcastAnchorでも聴取可能です。ご登録お待ちしております。

Axionポッドキャストは、テクノロジー業界の最新トレンドを紹介するラジオ。元DIGIDAY編集者で起業家の吉田と、280万会員の写真を扱うベンチャーの事業統括者の平田が話し合います。

今回のポッドキャスト以下の記事を元にディスカッションしています。

IPOの衰退と直接上場の台頭
直接上場は米国のテクノロジー企業が高い注目を示す手法だ。プライベート市場の発達が、公開市場に対して影響力を及ぼしている。未上場企業にはベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティのような資金調達ソースが豊富にあり、上場に拘る必要性は低下している。
パブリック・エクイティからプライベート・エクイティへの転換の背景とは
パブリック・エクイティからプライベート・エクイティへのシフトの背景には、主要な投資家の年金基金と大学のエンダウメントが、より高いリターンを得るためにリスクを追求するようになったことがある。未上場企業はソフトウェアのような無形資産への投資に比重を置き、資本集約的ではないため、上場を迫られていない。
SpotifyとSlackが直接上場の妥当性を確実にした
2018年4月、Spotifyはニューヨーク証券取引所に株式を上場して直接上場を完了した。2019年6月には、Slackはニューヨーク証券取引所で株式の取引を開始し、直接上場を完了した。これらの上場を受けて、特にベンチャーキャピタルや創業者、それぞれの企業の間で、従来のIPOに代わるものとして、直接上場の仕組みへの関心が高まっている。
Spotifyの直接上場から得られた知見
2017年5月にSpotifyが株式公開企業になるという目標を実現に移そうとした時、既存株主が上場後すぐに市場価格で株式を売却できるようにすることや透明性を最大限に高めた上場プロセスを実施し、市場主導の価格発見を可能にすることを目標とした。

要約

  • 直接上場は、プレイベート市場の発達により、発行体側の交渉能力が上がったことを大きな要因としている。企業の合従連衡が進む現代では、IPOは衰退の一途であり、投資銀行側も証券取引所に関所を作り、徴税することが叶わなくなってきた。
  • 4社のテック企業の直接上場では、直接上場は発行体にとっては得で、投資銀行や機関投資家、個人投資家にとっては損になっている。もともとの線引きが奇妙なところにあり、それが彼らに利するところが失われたということ。

Photo by Spotify