120歳まで生きることが現実味を帯びてきた[英エコノミスト]

120歳まで生きることが現実味を帯びてきた[英エコノミスト]
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あなたは長生きしたいですか? 何世紀もの間、老化を止めようとする試みは、水銀やヒ素、あるいはハーブや錠剤の詰め合わせの効用を喧伝するチャラ男たちの専売特許だった。しかし、長年の誤算を経て、本物の不老長寿の薬という考えが広まりつつある。その背後には、魅惑的で野心的な科学者たちや、熱狂的で利己的な億万長者たちがいる。さらに、適切な行動と薬物によって何年も、いや何十年も人生を延ばせると考えるようになった一般の人々も、その仲間入りをしつつある。

今日、100歳まで生きることは前代未聞ではないが、それでも稀なことだ。米国や英国では、百寿は人口の0.03%程度である。延命のための最新の取り組みがその潜在能力を発揮すれば、100歳の誕生日を迎えるまで生きることが当たり前になるかもしれない。

さらにエキサイティングなことに、その余命は健康的なものになるだろう。これまでのところ、寿命の延伸は死因、特に感染症への対策によって進められてきた。認知症などの病気を伴う老化そのものを遅らせることはまだできていない。今回は、それが意図されている。

本誌のTechnology Quarterly(季刊テクノロジー特集)で紹介したように、実験動物で老化に関連する生物学的プロセスを弱めると寿命が延びると思われるものを操作することである。例えば、バランスの取れた食事をしている動物の消費カロリーを極端に制限するといったものだ。しかし、関連する生物学的経路に影響を与える薬物も同様の結果をもたらすようだ。そのひとつがメトホルミンで、2型糖尿病への使用が承認されている。もうひとつがラパマイシンであり、臓器移植に使われる免疫抑制剤である。早期の採用者は、自ら、あるいは新しい種類の長寿企業とサービシング契約に相当するような契約を結ぶことによって、これらの薬を医薬品とは別の枠組みから服用し始めている。

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コロナは世界の子どもたちにとって大失敗だった[英エコノミスト]

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過去20年間、主に富裕国で構成されるOECDのアナリストたちは、学校の質を比較するために、3年ごとに数十カ国の生徒たちに読解、数学、科学のテストを受けてもらってきた。パンデミックによる混乱が何年も続いた後、1年遅れで2022年に実施された最新の試験で、良いニュースがもたらされるとは誰も予想していなかった。12月5日に発表された結果は、やはり打撃となった。

By エコノミスト(英国)
中国は2024年に経済的苦境を脱するか?[英エコノミスト]

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2007年から2009年にかけての世界金融危機の後、エコノミストたちは世界経済が二度と同じようにはならないことをすぐに理解した。災難を乗り越えたとはいえ、危機以前の現状ではなく、「新常態」へと回復するだろう。数年後、この言葉は中国の指導者たちにも採用された。彼らはこの言葉を、猛烈な成長、安価な労働力、途方もない貿易黒字からの脱却を表現するために使った。これらの変化は中国経済にとって必要な進化であり、それを受け入れるべきであり、激しく抵抗すべきではないと彼らは主張した。 中国がコロナを封じ込めるための長いキャンペーンを展開し、今年その再開が失望を呼んだ後、このような感情が再び現れている。格付け会社のムーディーズが今週、中国の信用格付けを中期的に引き下げなければならないかもしれないと述べた理由のひとつである。何人かのエコノミストは、中国の手に負えない不動産市場の新常態を宣言している。最近の日米首脳会談を受けて、中国とアメリカの関係に新たな均衡が生まれることを期待する論者もいる。中国社会科学院の蔡昉は9月、中国の人口減少、消費者の高齢化、選り好みする雇用主の混在によってもたら

By エコノミスト(英国)
イーロン・マスクの「X」は広告主のボイコットにめっぽう弱い[英エコノミスト]

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広告業界を軽蔑するイーロン・マスクは、バイラルなスローガンを得意とする。11月29日に開催されたニューヨーク・タイムズのイベントで、世界一の富豪は、昨年彼が買収したソーシャル・ネットワーク、Xがツイッターとして知られていた頃の広告を引き上げる企業についてどう思うかと質問された。「誰かが私を脅迫しようとしているのなら、『勝手にしろ』」と彼は答えた。 彼のアプローチは、億万長者にとっては自然なことかもしれない。しかし、昨年、収益の90%ほどを広告から得ていた企業にとっては大胆なことだ。Xから広告を撤退させた企業には、アップルやディズニーが含まれる。マスクは以前、Xがブランドにとって安全な空間である証拠として、彼らの存在を挙げていた。

By エコノミスト(英国)