120歳まで生きることが現実味を帯びてきた[英エコノミスト]
![120歳まで生きることが現実味を帯びてきた[英エコノミスト]](/content/images/size/w1200/2023/09/getty-images-ZK2jMbL9faE-unsplash.jpg)

あなたは長生きしたいですか? 何世紀もの間、老化を止めようとする試みは、水銀やヒ素、あるいはハーブや錠剤の詰め合わせの効用を喧伝するチャラ男たちの専売特許だった。しかし、長年の誤算を経て、本物の不老長寿の薬という考えが広まりつつある。その背後には、魅惑的で野心的な科学者たちや、熱狂的で利己的な億万長者たちがいる。さらに、適切な行動と薬物によって何年も、いや何十年も人生を延ばせると考えるようになった一般の人々も、その仲間入りをしつつある。
今日、100歳まで生きることは前代未聞ではないが、それでも稀なことだ。米国や英国では、百寿は人口の0.03%程度である。延命のための最新の取り組みがその潜在能力を発揮すれば、100歳の誕生日を迎えるまで生きることが当たり前になるかもしれない。
さらにエキサイティングなことに、その余命は健康的なものになるだろう。これまでのところ、寿命の延伸は死因、特に感染症への対策によって進められてきた。認知症などの病気を伴う老化そのものを遅らせることはまだできていない。今回は、それが意図されている。
本誌のTechnology Quarterly(季刊テクノロジー特集)で紹介したように、実験動物で老化に関連する生物学的プロセスを弱めると寿命が延びると思われるものを操作することである。例えば、バランスの取れた食事をしている動物の消費カロリーを極端に制限するといったものだ。しかし、関連する生物学的経路に影響を与える薬物も同様の結果をもたらすようだ。そのひとつがメトホルミンで、2型糖尿病への使用が承認されている。もうひとつがラパマイシンであり、臓器移植に使われる免疫抑制剤である。早期の採用者は、自ら、あるいは新しい種類の長寿企業とサービシング契約に相当するような契約を結ぶことによって、これらの薬を医薬品とは別の枠組みから服用し始めている。