10月2週のニュースまとめ

Facebookに内部告発と障害のダブルパンチ

10月2週のニュースまとめ

今週のトップニュース

Facebookの元従業員が上院公聴会で同社が「安全より利益」を優先したと証言。超党派的なテック企業規制の機運が再び高まっている。テック企業のロビイストはこの問題をうやむやにできるか。

米国・欧州

  1. 4日に発生したFacebookと関連サービスの不具合は、6時間にわたってユーザーに不便をもたらした。原因はネットワーク機器の設定の変更を誤ったことによりデータセンター間で通信ができなくなり、システム停止につながったことという。
  2. Amazon傘下のゲームストリーミングプラットフォームであるTwitchで、サービスのソースコード、スター配信者の収入、その他の機密情報が露出する大規模なデータ漏洩が発生。
  3. ナイキの世界全体でのデジタルチャネルの売上は25%増加。ナイキの総収益の21%がデジタルからで、前年から19%増えている。
  4. Twitterは、モバイルアプリ向け広告取引所であるMoPubを、AppLovinに現金10.5億ドルで売却することに合意したと発表した。
  5. 米GMは、2030年までに売上高を2,800億ドルに倍増させるとともに、ガソリン車の製造から電気自動車へと舵を切り、EVからの収益が、2023年の100億ドルから2030年には900億ドルになると予測。

中国・アジア

  1. 国慶節の連休中、中国の新エネルギー自動車(NEV)市場が活況を呈した。上海では、Nio、Xiaopeng Motors、Leading Ideal、Huawei SERES、Teslaなど多くの主流NEV企業の店舗で購入ラッシュが起きた。
  2. 中国電気自動車(EV)メーカーの上海蔚来汽車(NIO)は9月30日、ノルウェーの首都オスロのNIOセンターで、スポーツ多目的車(SUV)「ES8」の販売価格を正式発表し、引き渡しを開始。
  3. 中国恒大集団などが保証する2億6,000万ドルのドル建て社債が3日の期限を過ぎても償還されていない。ブルームバーグ・ニュースが7日、関係者の話として報じた。
  4. 中国の検索企業であるSogouは、Tencent Holdingsと合意した内容に従って、合併を完了したことを発表した。これにより、同社は上場企業ではなくなり、テンセントが間接的に100%所有する非公開企業となった。
  5. 国家統計局のデータによると、今年1~8月の中国の産業用ロボットの生産台数は23万9,249台に達し、前年同期比で63.9%増加した。

インド

  1. インドのモディ首相は15日、100兆ルピー(1兆3,500億ドル)規模の国家インフラ計画を打ち出す考えを表明した。モディ首相は石油・ガスの輸入に頼らないエネルギー自立を2047年までに達成するとの目標も掲げた。
  2. セブンイレブンがインド進出。1号店を土曜日にムンバイ郊外にオープン。インド財閥大手リライアンスと契約。リライアンスはネットスーパーや電子商取引は同国最大の小売網を持ち、小売部門の20年度売上高は1兆5762億ルピー(約2兆3,000億円)。
  3. インド最大の財閥タタがデジタル部門にテック人材を呼び込むためESOP(従業員自社株保有制度)の整備を視野に入れている。日本の「持株会」と少し違う。タタは同社のサービスをアプリに集約した「スーパーアプリ」を開発中で、老舗企業なのに非常に柔軟な動きを見せている。
  4. デジタル決済大手PaytmはBlackRock、ADIAとIPOの引き受けについて協議中と報じられた。

日本

  1. デジタル庁は4日「ガバメントクラウド」の先行事業に参加するクラウドサービス事業者を募集すると発表した。中央官庁の行政システムを集約するほか、自治体の主要業務を担う行政システムを標準化したうえで原則として2025年度までに同クラウド上に集約する計画。
  2. 岸田文雄首相が自民党総裁に選出されて以降、日経平均は、8営業日連続で下落。一時、総裁が選出された9月29日からの下げ幅は2000円を超え、市場では「岸田ショック」との声も。

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新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

世界が繁栄するためには、船が港に到着しなければならない。マラッカ海峡やパナマ運河のような狭い航路を通過するとき、船舶は最も脆弱になる。そのため、スエズ運河への唯一の南側航路である紅海で最近急増している船舶への攻撃は、世界貿易にとって重大な脅威となっている。イランに支援されたイエメンの過激派フーシ派は、表向きはパレスチナ人を支援するために、35カ国以上につながる船舶に向けて100機以上の無人機やミサイルを発射した。彼らのキャンペーンは、黒海から南シナ海まですでに危険にさらされている航行の自由の原則に対する冒涜である。アメリカとその同盟国は、中東での紛争をエスカレートさせることなく、この問題にしっかりと対処しなければならない。 世界のコンテナ輸送量の20%、海上貿易の10%、海上ガスと石油の8~10%が紅海とスエズルートを通過している。数週間の騒乱の後、世界の5大コンテナ船会社のうち4社が紅海とスエズ航路の航海を停止し、BPは石油の出荷を一時停止した。十分な供給があるため、エネルギー価格への影響は軽微である。しかし、コンテナ会社の株価は、投資家が輸送能力の縮小を予想している

By エコノミスト(英国)
新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

1960年代以来、世界中のエンジニアが回転デトネーションエンジン(RDE)と呼ばれる新しいタイプのジェット機を研究してきたが、実験段階を超えることはなかった。世界最大のジェットエンジン製造会社のひとつであるジー・エアロスペースは最近、実用版を開発中であると発表した。今年初め、米国の国防高等研究計画局は、同じく大手航空宇宙グループであるRTX傘下のレイセオンに対し、ガンビットと呼ばれるRDEを開発するために2900万ドルの契約を結んだ。 両エンジンはミサイルの推進に使用され、ロケットや既存のジェットエンジンなど、現在の推進システムの航続距離や速度の限界を克服する。しかし、もし両社が実用化に成功すれば、超音速飛行を復活させる可能性も含め、RDEは航空分野でより幅広い役割を果たすことになるかもしれない。 中央フロリダ大学の先端航空宇宙エンジンの専門家であるカリーム・アーメッドは、RDEとは「火を制御された爆発に置き換える」ものだと説明する。専門用語で言えば、ジェットエンジンは酸素と燃料の燃焼に依存しており、これは科学者が消炎と呼ぶ亜音速の反応だからだ。それに比べてデトネーシ

By エコノミスト(英国)
ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

今月初め、イギリス、エストニア、フィンランドの海軍がバルト海で合同演習を行った際、その目的は戦闘技術を磨くことではなかった。その代わり、海底のガスやデータのパイプラインを妨害行為から守るための訓練が行われた。今回の訓練は、10月に同海域の海底ケーブルが破損した事件を受けたものだ。フィンランド大統領のサウリ・ニーニストは、このいたずらの原因とされた中国船が海底にいかりを引きずった事故について、「意図的なのか、それとも極めて稚拙な技術の結果なのか」と疑問を呈した。 海底ケーブルはかつて、インターネットの退屈な配管と見なされていた。現在、アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフトといったデータ経済の巨人たちは、中国と米国の緊張が世界のデジタルインフラを分断する危険性をはらんでいるにもかかわらず、データの流れをよりコントロールすることを主張している。その結果、海底ケーブルは貴重な経済的・戦略的資産へと変貌を遂げようとしている。 海底データパイプは、大陸間インターネットトラフィックのほぼ99%を運んでいる。調査会社TeleGeographyによると、現在550本の海底ケーブルが活動

By エコノミスト(英国)