バイデンの中国戦略は機能していない[英エコノミスト]
2022年9月9日、オハイオ州ニューオールバニー近郊のインテル半導体製造施設の起工式に出席したジョー・バイデン大統領。Bloomberg

バイデンの中国戦略は機能していない[英エコノミスト]

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8月9日、ジョー・バイデン大統領は、米国の中国との経済戦争における最新兵器を発表した。新たな規則は、民間企業による海外投資を取り締まるもので、中国の最も機密性の高い技術への投資は禁止される。資本主義の世界最強の擁護者がこのような規制を用いることは、自己主張を強め脅威となるライバルの台頭と闘う米国の経済政策における重大な転換の最新の兆候である。

何十年もの間、米国は貿易と資本のグローバル化に喝采を送り、効率性の向上と消費者のコスト削減という莫大な利益をもたらしてきた。しかし、危険な世界では、効率性だけではもはや十分ではない。米国だけでなく欧米諸国では、中国の台頭が別の目的を前面に押し出している。中国が軍事力を強化しかねない最先端技術へのアクセスを制限することで、国家安全保障を守り、中国が牙城を築いている地域で代替サプライチェーンを構築したいのだ。

その結果、前大統領のドナルド・トランプ、そして現在のバイデンのもとで、中国を標的とした関税、投資審査、輸出規制が乱立することになった。米国のジャネット・イエレン財務長官は、デリーやハノイを訪れて「フレンドシェアリング」の利点を宣伝し、企業のボスに中国からのシフトが賢明であることを示唆した。このような「リスク回避」措置は効率を低下させるが、機密性の高い製品にこだわることでダメージは抑えられるという考え方だ。米国はより安全になるのだから。

この新しい考え方がもたらす結果は、現在明らかになりつつある。残念ながら、それは回復力も安全ももたらさない。サプライチェーンは新しいルールに適応するにつれ、より複雑に、より不透明になっている。また、よく見れば、米国が中国の重要物資に依存していることは明らかである。さらに心配なのは、この政策が米国の同盟国を中国に近づけるという逆効果をもたらしていることだ。

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