アジアのスーパーアプリ企業がマンネリ化した理由

アジアのスーパーアプリ企業がマンネリ化した理由
出典:Gojek
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アメリカのテクノロジー王は時折、欧米には「スーパーアプリ」と呼ばれる、さまざまなサービスを提供する多面的なオンラインプラットフォームがないと嘆く。しかし、このビジネスモデルに対する世界的な関心は、アジアで既存のスーパーアプリが直面している困難さを裏付けている。

最近の業績には失望させられた(図表参照)。シンガポールのシー(Sea)とグラブ(Grab)、韓国のクーパン(Coupang)とカカオ(Kakao)、日本の楽天、そしてインドのペイティーエム(Paytm)の親会社の時価総額を合計すると、2021年末から約60%減少している。モバイルゲーム、ソーシャルメディア、eコマース、ライドシェア、金融決済を融合させることで収益をあげている。各社に共通しているのは、1つのアプリに互いに補完し合う様々なサービスを束ねるという願望だ。彼らは、テンセントのWeChatやアリババのアリペイなど、このビジネスモデルの先駆者である中国企業を模倣することを望んでいた。

しかし、アジアの新興スーパーアプリは、急速に変化する環境によって大きなプレッシャーにさらされている。かつては安価で豊富だった資金調達が枯渇し、野心的な成長計画の資金調達が難しくなっている。シティグループのジェームス・ロイドは、中国のスーパーアプリは、収益性の高い魅力的なビジネス(アリペイではeコマース、WeChatではソーシャルメディア)を中核としてスタートし、他のサービスはそれを中心に構築されたと指摘する。中国以外では、同様の方法で大きな規模と収益の両方をバランスさせている企業はほとんどない。

韓国企業のカカオが、その条件に最も近い。多くのアジアのスーパーアプリとなるべき企業とは異なり、確実に利益を上げている。しかし、株価は今年8%下落している。同社は自国を支配しているため、国内でのさらなる成長の余地がなくなりつつある。同社の配車部門は、韓国で90%もの市場シェアを持っているとの試算もある。同社は収益の国際シェアを現在の10%から2025年までに30%まで引き上げたいと考えているが、このようなグローバル展開にはコストがかかる。

他の企業では、資金繰りの悪化が収益性への野心を刺激し、必然的にこれまでの急拡大計画を犠牲にしている。配車会社ゴジェック(Gojek)とeコマース会社Tokopediaが合併して誕生したインドネシアのスーパーアプリ・ゴートゥー(GoTo)は、本稿掲載後の6月30日に開催された株主総会で、元バンカーのパトリック・ワルジョをCEOに任命すると見られていた。ワルジョは、会社を黒字化することが目標だと強調している。

今年のトレンドに逆らったアジアのコンシューマー・テック企業がある。デジタル決済を軸にしたインドのスーパーアプリになるであろうペイティーエムの株価は約60%上昇した。株価は2021年11月の上場直後につけた史上最高値の半分以下であり、同社はまだ利益を上げていない。それにもかかわらず、株価が上昇しているのは、アジアの他の企業に欠けているものを反映しているのかもしれない。その規模の可能性が、Paytmのより持続可能な未来のために十分であることを証明するかどうかは、まだわからない。

企業が単一のプラットフォームを使って消費者に様々なサービスを提供するというアイデアには、直感的な魅力がある。しかし、10年以上にわたってスーパーアプリの覇権到来が議論されてきた後でも、アジアの企業の多くは、規模と収益性のバランスを見つけるのに苦労している。資金調達コストの上昇はとどまるところを知らず、一時はハイテク投資家の寵児となったこれらの企業の早急な回復は予断を許さない。■

From "Why Asia’s super-app companies are stuck in a rut", published under licence. The original content, in English, can be found on https://www.economist.com/business/2023/06/29/why-asias-super-app-companies-are-stuck-in-a-rut

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新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

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新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

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