疲弊し注意散漫で過負荷な現代のマネジャー[英エコノミスト]
![疲弊し注意散漫で過負荷な現代のマネジャー[英エコノミスト]](/content/images/size/w1200/2023/10/amos-bar-zeev-IjA4vTJ3PHY-unsplash.jpg)

管理職は同情の対象にはなりにくい。年間何百万ドルもの報酬を手にする大物最高経営責任者ならともかく、上司気取りの事務長に同情するのは難しい。しかし、彼らの境遇は精査に値し、同情に値するものでさえある。隅っこのオフィスから中間管理職の個室まで、彼らの時間に対する要求は激しさを増している。
人材紹介・アウトソーシング会社のアデコ・グループが23カ国の労働者を対象に行った最近の調査によると、サンプルに含まれる1万6,000人の管理職のうち68%が過去12カ月間に燃え尽き症候群に苦しんでいることがわかった。「他人が傾斜と速度の両方をコントロールしているランニングマシンに飛び乗ったような気分だ」と、ある大手テクノロジー企業の幹部はため息をついて言う。彼の同業者の多くが同じ感想を抱いている。リクルーターによると、企業は幹部候補者に運動量を尋ねることが多いという。
採用担当者によれば、企業は幹部候補者に運動量を尋ねることが多いとのことだ。このことは、疲弊した個人だけでなく、雇用主や、ここ数十年の管理職ブームからすれば経済全体にとっても問題である。今日、アメリカには1,900万人の管理職がおり、2000年と比べて60%も増えている。アメリカ企業の従業員の5人に1人が他人を管理している。
知識産業の企業がルーティンワークを自動化し、同じデジタルツール(アマゾンウェブサービス、Gメール、マイクロソフトのオフィスソフト)に依存するようになると、競争力を高めることができるのは、テクノロジーへの投資ではなく、より優れた管理である。劣悪なマネジメントは、生産性を低下させ、従業員の離職率を高めることによって、競争力を失わせる可能性がある。2015年のギャラップの調査によると、前職を辞めた米国人の半数は、悪いマネージャーが原因だった。コンサルタント会社のマッキンゼーは昨年、同じような割合の離職者が上司から評価されていないと答えていることを明らかにした。
つまり、優れたマネジメントの価値は高まっているのだ。同時に、マネジャーが仕事をする環境も変わりつつある。この新しい環境は、過去と比較して、あるスキルにはより多くの報酬を与え、あるスキルには報酬を与えない。その結果、明日のあなたのマネジャーは、あなたの両親のマネジャーとはだいぶ異なった人物になる。