7月4週のニュースまとめ

ジェフ・ベゾス、30億円で宇宙に行く

7月4週のニュースまとめ
Photo by Blue Origin.

米国・欧州

  1. ジェフ・ベゾスは現地時間20日、宇宙旅行を完了した。ベゾスのロケット会社であるブルーオリジン社が製作した宇宙船で、テキサス州西部の空を65マイル以上上昇するという、短い旅だった。
  2. 米国のバイデン大統領は、ソーシャルメディア上でのCovid-19の誤報の拡散が「人々を殺している」と警告した。「パンデミックは、ワクチンを受けていない人たちの間で起こっている」
  3. 「#DeleteFacebook」が米国でトレンドになっている。右派はトランプ大統領の停職処分を受けてこのハッシュタグを使い、左派はワクチンの誤情報に関してこのハッシュタグを使っている。
  4. バイデン大統領は、マイクロソフトやニューズ・コーポレーションなど、Googleの反競争的行為に不満を持つ複数の企業の弁護をしてきた弁護士を、反トラスト担当検事総長補佐のに[ 任命]した。Googleに対する新たな挑戦の可能性を提起している。
  5. Netflixは2021年第2四半期に73億ドルの収益を計上した。Netflixの加入者数は、2021年第1四半期から第2四半期にかけて150万人増加し、アジア太平洋地域だけで約100万人の新規有料ユーザーを獲得した。
  6. アムネスティ・インターナショナルは、 イスラエルのNSOグループのスパイウェア「Pegasus」の標的となった数十台のスマートフォンを分析し、iPhoneおよびiOSソフトウェアの最新バージョンにさえも脆弱性を発見。優れたセキュリティとプライバシーに関するAppleの宣伝文句は正しくないと断定した。
  7. NVIDIAの時価総額は、パンデミック後の半導体ビジネスの好況によりAppleやJPモルガンなどと並んで米国の上場企業トップ10に入った。NVIDIAの株価は過去1年間で約80%上昇し、時価総額は約4530億ドル。ライバルであるインテルとブロードコムの合計額よりも多い。
  8. Robinhoodは近日中に予定されているIPOで、市場価値が従来の予想よりも低い約330億ドルになると予想。売り出し価格の中間をとると、約20億ドルを調達する見込み。来週末に取引が開始される予定。
  9. 暗号資産のビットコインのバブルが収縮しており、多大なレバレッジで築かれた1兆3000億ドル(約143兆円)規模の関連業界を直撃している。過去2カ月のレンジの下限付近の3万1700ドル前後にあり、4月のピークから約50%下げた水準だ。
  10. テスラのイーロン・マスクは、仮想通貨の業界団体主催の会合で、スペースXもビットコインを保有しており、売却の予定はないことを明らかにした。

中国

  1. ビッグテックに対する北京の規制圧力が強まる中、アリババ、テンセント、バイトダンスなど、中国のテクノロジー企業33社が、独占禁止法の自己規律に関する協定に署名した。
  2. 中国のサイバースペース管理局は、公安部、国家安全部、天然資源部、交通部、国家税務総局、国家市場規制総局と共同で、滴滴(Didi)のネットワーク・セキュリティ・レビューを金曜日に開始した。
  3. 中国のサイバースペース管理局と警察、税務当局、市場競争規制当局などの政府部門は、滴滴(Didi)のセキュリティ調査を行うために、オフィスに調査員を常駐させるという異例の措置を取った。
  4. テンセントは、英国のゲーム開発会社Sumo Groupを9億1,900万ポンドで買収する契約を結んだ。2003年にヨークシャーで設立されたSumoは、ソニー、マイクロソフト、セガ向けに「Forza」「Hitman」「Sonic」などのゲームを開発してきた。
  5. Tencentの子会社であるTiMi Studio Groupは、カナダのモントリオールに新たなAAAゲームスタジオ「TiMi Montréal」を設立したことを発表した。TiMi Montréalは、TiMi Studio Groupの北米におけるAAAゲームスタジオとしては、ロサンゼルススタジオ、シアトルスタジオに続く3番目のスタジオ。
  6. 中国河南省鄭州市で発生した大規模な洪水により、鴻海が運営するiPhone製造拠点では、一部のエリアに水が浸入したために一時的に停電となり、多くの従業員に休暇を与えた。
  7. 中国の自律走行企業であるWeRideは、中国の自律走行トラックのスタートアップであるMoonX.AIの買収を発表した。買収額は公表されていない。MoonX.AI の[楊慶雄博士]は、WeRideの研究所所長に就任し、MoonX.AIから50人以上の経験豊富なエンジニアをWeRideに迎え入れる。
  8. 中国のペットオーナー向けSNS「Goumin.com」と「Pet Fair Asia」が共同で発表した「2020年中国ペット産業白書」によると、都市部の住民が飼っている犬・猫の数は、2020年には1億84万頭に達した。中国の都市住民の人口は約8億5000万人で、10人に1人がペットの猫や犬を飼っていることになる。

インド

  1. アントグループやソフトバンクが支援者に名を連ねるインドのデジタル決済大手のPaytmは、国内最大級の株式上場で最大1,660億ルピー(22.3億ドル)を調達するため、規制当局に上場目論見書を申請した。
  2. Swiggyは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドと既存の投資家から12億5,000万ドルを調達。ライバルのZomatoが国内IPOを開始した数日後、同様の規模の調達を発表。このIPOでは、40倍以上の応募があった。
  3. Blackstoneは、オンライン・トレーニング・プラットフォームSimplilearnの支配的株式を2億5,000万ドルで取得する。この買収の一環として、初期の投資家であるKalaari Capital、Helion Ventures、Mayfield Fundは同社から撤退するが、創業者のKrishna Kumarは引き続き事業を運営する。
  4. Lenskartは、シンガポールの政府系ファンドであるTemasekとFalcon Edge Capitalが主導する2億2,000万ドルの資金調達ラウンドを終了したと発表した。これにより、同社は今回のラウンドで合計3億1,500万ドルを調達したことになる。

日本

  1. 台湾積体電路製造(TSMC)は日本で2023年にも半導体生産を始める方向で最終調整に入ったと、日本経済新聞(電子版)が計画について知る複数の関係者の話を基に報じた。主としてソニーグループのイメージセンサー向け半導体を生産する見通しだとしている。新工場では28ナノメートル技術を用い、ウエハー生産能力は月間約4万枚になる見込み。
  2. 日本銀行の雨宮正佳副総裁は21日、追加金融緩和が必要になった際の具体的措置について、長短金利の引き下げや企業金融支援など「状況と必要性に応じて検討していく」と語った。新潟県金融経済懇談会後の記者会見で述べた。

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OpenAI、法人向け拡大を企図 日本支社開設を発表

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By 吉田拓史
アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表  往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

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アドビは4月10日、日本語のバリアブルフォント「百千鳥」を発表した。レトロ調の手書き風フォントで、太さ(ウェイト)の軸に加えて、字幅(ワイズ)の軸を組み込んだ初の日本語バリアブルフォント。近年のレトロブームを汲み、デザイン現場の様々な要望に応えることが期待されている。

By 吉田拓史