
「ジェネラリストな医療AI」という夢のような提案
科学誌『Nature』で非常に広範な医療タスクを行えるジェネラリストな人工知能(AI)が提案された。患者とのやり取りによる情報収集から、医師の臨床での意思決定支援まで、広範に渡る応用を行うAIだ。AlphaFoldによるタンパク質の立体構造予測以来、医学界はAI応用の激流の中にいる。
科学誌『Nature』で非常に広範な医療タスクを行えるジェネラリストな人工知能(AI)が提案された。患者とのやり取りによる情報収集から、医師の臨床での意思決定支援まで、広範に渡る応用を行うAIだ。AlphaFoldによるタンパク質の立体構造予測以来、医学界はAI応用の激流の中にいる。
スタンフォード、ハーバードなどの研究者らは、『Nature』誌の4月12日号で、医療用AIの新しいパラダイムである「ジェネラリスト医療人工知能(Generalist medical artificial intelligence: GMAI)」を提案した[1][2]。
これは、多くの医療アプリケーションとデータタイプにわたって知識豊富で柔軟で再利用可能な、新しい種類の医療AIモデルであるという。
研究者らは、GMAIモデルは、タスク固有のラベル付けされたデータをほとんど、あるいは全く使わずに、多様なタスクを実行することができるようになる、と予想。GMAIは、大規模で多様なデータセットを自己監視することによって構築され、画像、電子カルテ、検査結果、ゲノム、グラフ、医療テキストなどのデータを含む、医療モダリティのさまざまな組み合わせを柔軟に解釈することができると想定している。
GMAIが画像、電子カルテ、検査結果、ゲノム、医療テキストなどのさまざまなデータの組み合わせで、ChatGPTのようなモデルの能力をはるかに超えて解釈できるようになると論文は主張した。これらのGMAIモデルは、音声による説明、推奨事項の提示、スケッチの描画、画像の注釈を行う予定だ。
そして、そのモデルは、フリーテキストによる説明、音声による推奨、画像注釈など、高度な医療推論能力を示す表現豊かなアウトプットを生成すると研究者らは考えている。
