来年Q1登場の「破壊的」な電池技術、EVの競争力を一段と高める

中国の大手電力電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)は破壊的な性能を持つ、安価な電池を搭載したEVが来年第1四半期に投入されると明らかにした。この電池は、EVのガソリン車に対する優位性を確固たるものにする可能性がある。

来年Q1登場の「破壊的」な電池技術、EVの競争力を一段と高める
神行超充電池(Shenxing)のマーケティング画像。出典:CATL

中国の大手電力電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)は破壊的な性能を持つ、安価な電池を搭載したEVが来年第1四半期に投入されると明らかにした。この電池は、EVのガソリン車に対する優位性を確固たるものにする可能性がある。


中国の大手電力電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)は16日、中国自動車大手の奇瑞汽車(Chery)の高級車ブランド「星途」シリーズのEV「星紀元」にリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池である「神行超充電池(Shenxing)」を供給することを明らかにした。神行超充電池を搭載した星紀元は来年第1四半期に発売を開始する予定という。

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8月発表時にCATLは2023年末に「神行超充電池」の量産を開始し、2024年第1四半期(1~3月)に同電池を搭載するEVを発売する計画を明らかにしていたが、今回の発表でそれが踏襲された。CATLは、年末までにバッテリーの量産を開始する予定だ。

CATL Launches Superfast Charging Battery Shenxing, Opens Up Era of EV Superfast Charging
On August 16, CATL launched Shenxing, the world’s first 4C superfast charging LFP battery, capable of delivering 400 km of driving range with a 10-minute charge as well as a range of over 700 km on a single full charge. Shenxing is expected to considerably alleviate fast charging anxiety for EV user…

注目すべきは、このバッテリーを搭載した車両はわずか10分の充電で400キロの航続距離を達成できるとCATLが主張していることだ。4C超高速充電に対応した初のLFPバッテリーである。最大700kmの航続距離を実現できるという。両社はまた、神行超充電池を搭載したモデルを欧州、中東、ASEAN、北米などの海外市場で発売する予定。

これに先立つ8月16日、長安汽車、CATL、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の3社が出資する合弁EVメーカーAvatr Technology(阿維塔科技)は、神行超充電池を採用することを発表し、神興電池を採用することを発表した最初のEVブランドとなった。CATLは阿維塔科技の事業会社の第2位株主。

10月初旬には、CATLと合衆新能源汽車(Hozon Auto)のブランド、哪吒汽車(Neta)が神行超充電池を含む電池供給をめぐるパートナーシップを発表した。

韓国の市場調査会社SNE Researchが10月11日に発表したデータによると、CATLは世界最大の電力用バッテリーメーカーで、1月~8月の出荷量は158.3GWh、シェア36.9%を占めている。

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By 吉田拓史