もともとグローバル企業の経営方針の中で、DXは高い優先順位を誇っていた。それが新型コロナの感染拡大により、その実践の要求が高まっている。

例えば、富士通は日本企業の典型れである。富士通は国内のグループ会社を含めたオフィススペースを今後3年メドに半減させると先週、発表した。リモートワーク(テレワーク)へと移行する。

富士通は新型コロナ感染拡大を受け、国内で働く約8万5千人の全社員を対象に在宅勤務を推奨した。工場を除くオフィスでは、出勤者を通常の25%までにおさえる。業務全般もオンラインで進めるやり方に変える方針を打ち出していた。

DXのスピードアップと普及

パンデミックへの対応はデジタル化を5年前倒ししたという推定がある。この「規模と速度でのデジタル化」の結果の一つは、大規模なスキルシフトである。スキルニーズのシフトはすでに課題となっていたが、パンデミックの発症以来、58%以上の従業員がスキルの変化を報告している。

多くのリーダーは、その影響を管理するための設備が整っていない。すでにデジタル化の実現が遅れているビジネス・リーダーは、この変化に対応するための将来を見据えた戦略の策定や採用に頼っているリーダーと同じであることが多い。

シニアリーダーがこのパズルを解決できなければ、デジタルトランスフォーメーションを促進するワークトレンド、プロセス、組織構造の変化に対応するために、適切なタイプのスキルや量のスキルを導入し、調整することはできないだろう。

DXのための人材

2019年、Gartner TalentNeuronのデータによると、すでにIT以外で採用されるテクノロジストの数が桁違いに多いことが示されている。組織がIT機能をはるかに超えて、ビジネスの他の分野に深くデジタルスキルを求めているため、その傾向は加速するばかりだ。

下の図は、人工知能、ロボット・プロセス・オートメーション、データ・サイエンス/分析などのスキルに関連した非テクノロジー企業の求人情報のデータを示している。

Via Gartner

非テクノロジー企業が従業員にテクノロジー大手ほどデジタルリテラシーを必要としていないとしても、彼らは必要なスキルを特定し、それらを習得する方法を優先する必要があるだろう。これは、再構築されたビジネスモデルに組み込まれた競争優位性の価値を解き放つことを望むならば、特に重要なことである。

DXのための文化

『The Technology Fallacy: How People Are the Real Key to Digital Transformation』(未邦訳、The MIT Press)は、大企業のDXには、技術自体よりも文化の形成が重要であることを訴えている。本書では、4年間で16000件の調査、市場をリードする組織への75回のインタビューを経て、著者のジェラルド・ケインらは以下の洞察を得た。

  1. デジタルカルチャーは、デジタルビジネスの採用を促進するために重要
  2. デジタルカルチャーは明確で一貫しており、デジタル成熟度に関連付けられている

デジタルカルチャーは恣意的なもの

ハーバード大学のヨカイ・ベンクラー教授は、環境条件によっては、従業員はより協調的で協力的になる傾向があると主張している。彼は、古典的な囚人のジレンマゲームを含む行動実験では、30%の人は常に協力的で、30%の人は常に利己的に行動すると指摘している。残りの40%の人は、環境からのシグナルに基づいて、どちらのアプローチが優勢かを決定する。ウォール街では、40%の人は合理的な利己主義に基づいて行動するが、もし別のコミュニティでのゲームでは、この40%の人は一緒に働き、協力的に行動する。従業員に正しい合図を送ることが、正しい環境を育てる効果的な方法になる。

ジェラルド・ケインらのデータは、単一の文化的特性がデジタル成熟度に関連付けられており、これらの特性は業界や企業規模で一貫していることを示している。 具体的には、デジタル的に成熟した組織は次の特徴を備えているという。

  • リーダーシップの構造において、階層的ではなく、より分散しています
  • より協力的でクロスファンクショナル
  • 実験と学習を奨励します
  • より大胆で探索的、リスクに対する寛容性が高い

より機敏で迅速な行動

Photo by Smartworks Coworking on Unsplash