Google、AI軍拡競争に勝つため論文公開を制限 競合への堀を穿つ

AI界隈では研究成果へのアクセスがオープンであることが急速な進歩を促してきた。しかし、AIの軍拡競争が過熱する中、Googleは論文公開を制限する方向にかじを切った。他社も追随する可能性がある。

Google、AI軍拡競争に勝つため論文公開を制限  競合への堀を穿つ
Midjourneyで吉田拓史作成

AI界隈では研究成果へのアクセスがオープンであることが急速な進歩を促してきた。しかし、AIの軍拡競争が過熱する中、Googleは論文公開を制限する方向にかじを切った。他社も追随する可能性がある。


流出したGoogleの社内メモによると、シニアソフトウェアエンジニアは、GoogleとOpenAIはAI軍拡競争に勝つための決定的な地位におらず、オープンソースコミュニティが彼らに匹敵しているという。

Discordサーバーの匿名アカウントによって最初に共有され、その後、コンサルティング会社のSemiAnalysisが真偽を確認した上で公開したリーク内部文書では、上級ソフトウェアエンジニアLuke Sernauは、Googleのリードはオープンソースプロジェクトが数週間で詰めてしまうものである、と示唆している。3月初旬、オープンソースコミュニティは、MetaのLLaMAが一般にリークされたことにより、活気づいた。その後、革新的な技術が次々と生み出され、主要な開発が要するのはわずか数日の間隔だけだった(下図参照)。

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コロナは世界の子どもたちにとって大失敗だった[英エコノミスト]

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過去20年間、主に富裕国で構成されるOECDのアナリストたちは、学校の質を比較するために、3年ごとに数十カ国の生徒たちに読解、数学、科学のテストを受けてもらってきた。パンデミックによる混乱が何年も続いた後、1年遅れで2022年に実施された最新の試験で、良いニュースがもたらされるとは誰も予想していなかった。12月5日に発表された結果は、やはり打撃となった。

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中国は2024年に経済的苦境を脱するか?[英エコノミスト]

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2007年から2009年にかけての世界金融危機の後、エコノミストたちは世界経済が二度と同じようにはならないことをすぐに理解した。災難を乗り越えたとはいえ、危機以前の現状ではなく、「新常態」へと回復するだろう。数年後、この言葉は中国の指導者たちにも採用された。彼らはこの言葉を、猛烈な成長、安価な労働力、途方もない貿易黒字からの脱却を表現するために使った。これらの変化は中国経済にとって必要な進化であり、それを受け入れるべきであり、激しく抵抗すべきではないと彼らは主張した。 中国がコロナを封じ込めるための長いキャンペーンを展開し、今年その再開が失望を呼んだ後、このような感情が再び現れている。格付け会社のムーディーズが今週、中国の信用格付けを中期的に引き下げなければならないかもしれないと述べた理由のひとつである。何人かのエコノミストは、中国の手に負えない不動産市場の新常態を宣言している。最近の日米首脳会談を受けて、中国とアメリカの関係に新たな均衡が生まれることを期待する論者もいる。中国社会科学院の蔡昉は9月、中国の人口減少、消費者の高齢化、選り好みする雇用主の混在によってもたら

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イーロン・マスクの「X」は広告主のボイコットにめっぽう弱い[英エコノミスト]

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広告業界を軽蔑するイーロン・マスクは、バイラルなスローガンを得意とする。11月29日に開催されたニューヨーク・タイムズのイベントで、世界一の富豪は、昨年彼が買収したソーシャル・ネットワーク、Xがツイッターとして知られていた頃の広告を引き上げる企業についてどう思うかと質問された。「誰かが私を脅迫しようとしているのなら、『勝手にしろ』」と彼は答えた。 彼のアプローチは、億万長者にとっては自然なことかもしれない。しかし、昨年、収益の90%ほどを広告から得ていた企業にとっては大胆なことだ。Xから広告を撤退させた企業には、アップルやディズニーが含まれる。マスクは以前、Xがブランドにとって安全な空間である証拠として、彼らの存在を挙げていた。

By エコノミスト(英国)