![アームの上場がIPO市場を復活させる可能性[英エコノミスト]](/content/images/size/w2640/2023/08/398771814-1.jpg)
アームの上場がIPO市場を復活させる可能性[英エコノミスト]

どんなに盛大なパーティーでも、2年目まで長引く二日酔いは珍しい。しかし、2021年に記録的な盛り上がりを見せた新規株式公開(IPO)の投資家たちは、いまだに頭を痛めている。データ会社のDealogicによると、2021年の1年間で、世界中の株式市場に約6,000億ドルが上場された。これは、金融危機に先立つ狂乱の2007年の2倍以上、ドットコムバブルが膨れ上がった2000年の3倍近い数字である。しかしその後、インフレの高騰、低金利の終焉、市場の暴落により、祝祭は終わりを告げた。2022年のアメリカのIPOによる収益は前年比で90%以上減少した。2023年も今のところ、沈鬱なムードは続いている(図表参照)。
もうすぐ音楽が再開するかもしれない。8月21日、英国のチップ設計会社アームが、9月前半に予定されているナスダック市場への上場に向けて、ついに仮目論見書を提出した。600億ドルから700億ドルという評価額が予想され、この2年間で最大の株式公開となる。
アームだけではない。米国の大企業で構成されるS&P500株価指数は、10月の谷から24%上昇している。このような強気相場は、非上場企業のボスに避けられない誘惑を与える。これだけ株価が上昇した今こそ、自社株の一部を一般投資家に売却し、見返りとして健全な資本を得るチャンスかもしれない。

この記事は有料会員のみご覧いただけます
購読する既にアカウントをお持ちの方 ログイン