アームとインスタカートのIPOが示す新常態[英エコノミスト]
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テック業界のボスたちは、長い間、新規株式公開(IPO)を破壊しようとしてきた。彼らは、スプレッドシートに精通した投資銀行家が自分たちのビジョンを売り込むために徴収する高額な手数料や、新しい投資家に株式を分配する錬金術のようなプロセス、そして取引所で取引が開始されたとたんに株価が高騰し、それに見合わない資金を渡されることを考えると、歯がゆい思いをしてきた。
このプロセスを改善するために多くの計画が練られてきたが、その成功の度合いはさまざまだ。2004年の上場時、グーグルは不注意にも自社株の「ダッチオークション」に挑戦した。このオークションは最高入札価格から始まり、株式の供給と投資家の需要が一致する価格まで入札額が上がるのではなく、徐々に下がっていくものだった。 通常のIPOプロセスの形式に対する侮辱として、検索大手の創業者へのインタビューが、あのプレイボーイ誌に、IPOの準備段階の「沈黙期間」に掲載された。
9月19日、インスタカートはニューヨークのナスダックに上場した。この食料品配達会社は、2年近くIPO活動が停滞していた後に鐘を鳴らした最新の企業の一つである。インスタカートは、上場前の数日間に修正された価格帯の最高値である1株30ドルで株式を売却した。上場初日の終値はそれを12%上回り、時価総額は110億ドルに達した。これは、この数週間で2度目となる好調なデビューであった。9月14日、日本のオーナーであるソフトバンクがナスダックにチップ設計会社の株式の約10%を上場させた後、アームの株価は25%上昇した。