Web3は風前の灯 先進国で切り離しが進み投資が急減
Web3は風前の灯だ。投資は急減し、トップのベンチャーキャピタルはファンドを縮小した。欧米諸国は、暗号資産取引所を追い出し始めている。空虚なブームのあとに何が残るのだろうか。
Web3は風前の灯だ。投資は急減し、トップのベンチャーキャピタルはファンドを縮小した。欧米諸国は、暗号資産取引所を追い出し始めている。空虚なブームのあとに何が残るのだろうか。
ドイツの金融規制当局である連邦金融監督庁(BaFin)は先週、暗号資産取引所Binanceの創設者であるChangpeng Zhaoの適性と同社の複雑な構造に対する懸念から、営業許認可の申請を取り下げるよう勧告した。Binanceは先月、オランダからの撤退を決定したと発表していた。キプロスにあるBinanceの部門は、同国における暗号資産サービスプロバイダーの登録抹消申請書を提出した。
Web3 / 暗号資産の分野で最も儲かるビジネスである暗号資産取引所は、欧米での立ち位置を失い始めている。最大市場の米国では、当局はBinanceとCoinbaseを相手取り提訴。原告の論理では、暗号資産取引所の存在自体が米国で違法だということになる。
ベンチャーキャピタルのトップ企業であるセコイア・キャピタルは、スタートアップ不況の進行を受けて、暗号資産ファンドを含む2つの主要ファンドを大幅に縮小した。暗号資産ファンドは5億8,500万ドルから2億ドルに減らされた。セコイアによると、この決定は、現在の市場状況により合致させることを目的としており、暗号資産業界の暴落により大企業を支援するチャンスが制限された後、ファンドは現在、若い新興企業を支援することを目的としている。
セコイアは、スキャンダルの末に破綻した暗号資産取引所FTXの主要投資家だった(創業者は刑事告発されている)。この動きによってセコイアは2億1,400万ドルの損失を被った。この損失はファンドの現金総額の数パーセントに過ぎないが、それでも同社の評判をリスクにさらした。セコイアは、FTXへの投資をめぐってファンド投資家に謝罪した、とウォール・ストリート・ジャーナルは報じた。
最近の組織再編でセコイアを去った投資担当者の中には、FTXの投資担当者の一人であるミシェル・フラディンとダニエル・チェンという暗号資産担当が含まれている、とブルームバーグは報じた。
投資は急速に干上がっている。リサーチ会社Crunchbaseの報告によると、Web3スタートアップの今年上半期の資金調達額は合計36億ドルに過ぎず、78%減少したことになる。2022年上半期に約160億ドルを調達していた。また、2023年第2四半期を見ると、2022年と比べて76%減少した。Web3の新興企業は4月から6月にかけて18億ドル強の資金を調達したが、前年同期は75億ドルだった。Crunchbaseは、Web3スタートアップを暗号資産とブロックチェーンのスタートアップと定義している。
今月初めのCrunchbaseの報告によると、VCの資金調達は全体的に減速しており、2023年第2四半期には全セクターで18%減少した。しかし、暗号資産関連の資金調達はより急減しているという。人工知能(AI)スタートアップは新たな注目株となり、2023年上半期には250億ドルの資金を獲得した。
暗号通貨自体は、依然として需要あるだろう。ドバイは継続的に暗号資産を経由した資本流入を享受している。資産を既存の金融の枠組みの外側で移動させたい人は、世界中に少なからずいる。ただWeb3と形容されるような技術的な裏付けの乏しいハイプについては、すでに多くの人が真実を知っており、復活の見込みは薄いだろう。