なぜアクシオン(Axion)という名前をつけたか?

「存在が『予測』された想定上の暗黒物質であるアクシオンのようなものを『探求』しよう!」という意思を表明するために、私はアクシオンと名前をつけたのです

なぜアクシオン(Axion)という名前をつけたか?

このブログではなぜ私がこの定額制メディアプラットフォーム事業を「Axion(アクシオン)」と名付けたか、を説明しようと思います。

Axionのビジョンは「人類をあらゆる制約から自由にし、その幸福の追求を最適化する」です。このビジョンの前提には、「人々が意思決定をする際に取得できる情報を向上すれば、社会が進化する」という推定があります。

意思決定には予測がとても大事ですよね。だから意思決定をしようとしている人に、ジャンクニュースではなく有用な予測を提供したいと考えているのです。この予測の比喩が「アクシオン」なのです。アクシオンという言葉の由来を説明するために、不案内ではありますが、少し宇宙の話をさせてください。

アクシオンとは?

アクシオンは存在が予言されながら未発見の素粒子で、わずかに質量をもつと考えられるダークマター(暗黒物質)の候補です。宇宙の構造形成をひきおこす重力の源となる物質のほとんどは、私達がよく知っている物質を構成する水素や酸素、炭素といった通常の元素ではありません。暗黒物質の存在は、特殊な観測や理論から導かれたのではなく、様々な観測結果から共通に示唆されています。通常の物質は宇宙全体の約5パーセントにすぎません。その5~6倍は暗黒物質が占めていると考えられます。残りはダークエネルギーと呼ばれている正体不明のものです。

数ある暗黒物質は「得られている観測結果を説明するために存在しないとおかしい」と推定されています。暗黒物質は粒子の速度分散の度合いで「熱い暗黒物質」と「冷たい暗黒物質」に分けられます。宇宙の大規模構造の形成をシミュレーションした結果、冷たい暗黒物質が有望だと考えられています。アクシオンはニュートラリーノなどと並ぶ、冷たい暗黒物質のうちのひとつです。

想定される暗黒物質とその探求の姿勢

人類が未来に対してアプローチすることは、ダークマターを探求することに似ていると思います。人間はほとんどのことをまだ知りません。しかし、やがて何かを知り、そしてまた知らないことにぶつかります。アクシオンのようなものを仮定し「探求する」ことこそ我々の姿勢であり、情報の価値についての基本的な考え方です。

私たちは簡単にその思考を退屈な枠組みの中に導いてしまいます。飛躍的な視座を取ることには、たくさんの人々が嘲笑を浴びせると思います。しかし、飛躍的な思考で既存の枠組みの外にあることであなたは常に柔軟になることができ、新しいものを生み出す準備ができるのではないでしょうか。

人間が信じてきた偏見は覆されて続けています。人々はソーシャルメディアに投稿されたフェイクですらその真贋を判断することができません。群衆的な心理、集団思考に陥るのでなく自由に発想し世界のベールを剥がしていくのです。私たちに必要なのは想像力ですが、その想像力は恐るべき拘束力をまとわされたものです。私たちは常に知らされているすべてのことと食い違う世界の新しい見方を見つけなけれなりません。

「存在が『予測』された想定上の暗黒物質であるアクシオンのようなものを『探求』しよう!」という意思を表明するために、私はこの名前をつけたのです。アクシオンに込めたのは、「予測すること」「探求すること」という重なる部分のある人間の重要な行為の比喩なのです。

Photo by Billy Huynh on Unsplash

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新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

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世界が繁栄するためには、船が港に到着しなければならない。マラッカ海峡やパナマ運河のような狭い航路を通過するとき、船舶は最も脆弱になる。そのため、スエズ運河への唯一の南側航路である紅海で最近急増している船舶への攻撃は、世界貿易にとって重大な脅威となっている。イランに支援されたイエメンの過激派フーシ派は、表向きはパレスチナ人を支援するために、35カ国以上につながる船舶に向けて100機以上の無人機やミサイルを発射した。彼らのキャンペーンは、黒海から南シナ海まですでに危険にさらされている航行の自由の原則に対する冒涜である。アメリカとその同盟国は、中東での紛争をエスカレートさせることなく、この問題にしっかりと対処しなければならない。 世界のコンテナ輸送量の20%、海上貿易の10%、海上ガスと石油の8~10%が紅海とスエズルートを通過している。数週間の騒乱の後、世界の5大コンテナ船会社のうち4社が紅海とスエズ航路の航海を停止し、BPは石油の出荷を一時停止した。十分な供給があるため、エネルギー価格への影響は軽微である。しかし、コンテナ会社の株価は、投資家が輸送能力の縮小を予想している

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新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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1960年代以来、世界中のエンジニアが回転デトネーションエンジン(RDE)と呼ばれる新しいタイプのジェット機を研究してきたが、実験段階を超えることはなかった。世界最大のジェットエンジン製造会社のひとつであるジー・エアロスペースは最近、実用版を開発中であると発表した。今年初め、米国の国防高等研究計画局は、同じく大手航空宇宙グループであるRTX傘下のレイセオンに対し、ガンビットと呼ばれるRDEを開発するために2900万ドルの契約を結んだ。 両エンジンはミサイルの推進に使用され、ロケットや既存のジェットエンジンなど、現在の推進システムの航続距離や速度の限界を克服する。しかし、もし両社が実用化に成功すれば、超音速飛行を復活させる可能性も含め、RDEは航空分野でより幅広い役割を果たすことになるかもしれない。 中央フロリダ大学の先端航空宇宙エンジンの専門家であるカリーム・アーメッドは、RDEとは「火を制御された爆発に置き換える」ものだと説明する。専門用語で言えば、ジェットエンジンは酸素と燃料の燃焼に依存しており、これは科学者が消炎と呼ぶ亜音速の反応だからだ。それに比べてデトネーシ

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ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

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