YouTube Shortsは本家TikTokを殺すか?
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YouTube Shortsは本家TikTokを殺すか?

YouTube ShortsがTikTokを猛追している。ホームタウンである欧米圏の他、TikTokが退場を余儀なくされたインドや新興国で破竹の勢いで、コピー製品が本家を上回るかもしれない。

吉田拓史

YouTube ShortsがTikTokを猛追している。ホームタウンである欧米圏の他、TikTokが退場を余儀なくされたインドや新興国で破竹の勢いで、コピー製品が本家を上回るかもしれない。

GoogleのYouTubeは先週、TikTokのライバルである「YouTube Shorts」が毎月15億人のユーザーを集めているとテッククランチが報じたが、これは、昨年9月に報告されたTikTokのオーディエンス10億人より多い。

TikTok親会社のバイトダンスは「Douyin(抖音)」という中国版アプリを所有しており、1日の利用者数は6億人と主張している。これを足すとバイトダンスは短編動画についてはまだグーグルに対して一定の優位性を維持していると見ることもできる。

WSJが引用したデータプラットフォーム企業Inmar Intelligenceの調査によると、広告にとって最も有利な市場であるアメリカ人の間では、TikTokが引き続きトップに君臨しているが、YouTube Shortsは2位で地歩を固めつつあるとのことだ。

一方、Facebookの親会社であるMeta Platformsは、Instagram ReelsやFacebook Reelsの利用率を公表していないが、2月の四半期決算報告で、マーク・ザッカーバーグCEOは、Reelsが同社の「圧倒的に成長の速いコンテンツ形式」であると指摘した。

米テックメディアThe Informationが引用したリサーチ会社Cowenの調査では、Instagramユーザーのうち、TikTokのコピー製品であるInstagram Reelsを利用する割合が増加していることが判明した。両社とも、これらのオーディエンスから広告予算を獲得する方法をまだ見つけ出していないが、必ずそこに辿り着こうとするだろう。

もちろん、ネイティブアプリのダウンロードが必要なTikTokと、既存ユーザーをアプリ内でShortsへと誘導できるYou Tubeを同じものさしで測ることは出来ない。

Shortsの「票田」はTikTokが事実上禁止されたインドだ。インドでのサービス開始から数カ月で、YouTubeのCEOであるスーザン・ウォシッキーは、Shortsの再生回数が毎日35億回を超えたと述べている。グーグルは2021年3月、YouTube Shortsを米国に拡大した。インドはYouTube Shortsの最大市場の1つだが、YouTubeはShortsのグローバル展開以来、国別のデータを公開していない。ただ、インドは定期的に視聴者統計の上位を独占している言われている。

TikTokは北米市場でアウェーの苦しみを再び負う可能性がある。TikTokが先週発表したブログ記事で、米国のユーザーデータはすべて米国内のオラクルクラウドサーバーにあると宣言した。2020年の夏、米国のユーザーデータの安全性への懸念から、トランプがTikTokを禁止すると脅したが、実現はしなかった。TikTokが米国のユーザーデータの安全性を強調するオラクルの発表を行ったのは、TikTokのオーナーであるバイトダンスに勤務する中国在住のエンジニアがTikTokの米国ユーザーデータに繰り返しアクセスしていたことを示唆する詳細なストーリーをBuzzFeedが報道した同じ日であり、偶然ではないだろう。この記事は、TikTokが中国に所有されていることによるセキュリティリスクへの懸念を煽ることになった。