上海汽車集団がロボタクシー事業に参入 傘下企業が200億円調達
中国国営自動車メーカーの上海汽車集団の傘下で、商用ロボタクシー・サービスの開始を目指すSAIC Mobilityが、10億元(約200億円)を調達した。中国の自律走行車企業のMomentaと提携して運営する中国でのロボタクシー・サービスの規模を拡大するために使用される。
中国国営自動車メーカーの上海汽車集団の傘下で、商用ロボタクシー・サービスの開始を目指すSAIC Mobilityが、10億元(約200億円)を調達した。この資金は、中国の自律走行車企業のMomentaと提携して運営する中国でのロボタクシー・サービスの規模を拡大するために使用される。
上海汽車集団が主導したシリーズBラウンドには、Momenta、Gaoheng Management Consultingなどの機関も参加した。この資金調達により、SAIC Mobilityの評価額は10億ドル以上となった。
今回の資金調達は、両社が上海市と蘇州市で100日間の試験運用を開始してから8カ月後に行われた。12月に開始された試験運用では、60台の車両をテストし、すべての車両にセーフティドライバー(安全運転手)が常時ついていた。上海汽車集団によると、1日の注文量は1台あたり約20回に達し、利用者の総合満足度は98%だった。また、約8割の利用者が2回以上利用したという。
今後は、上海と蘇州での実証実験をサービス化し、SAIC Mobilityは最終的な商業化に向けた準備を進める。現地の規制は商用化をサポートしていないため、SAIC Mobilityは来年初めに新しい規制が発表されたときに備えたいと考えていると同社は説明している。
Momentaとの提携が実現したことで、SAIC Mobilityは地元・蘇州での商業展開許可を獲得する可能性が高い。同社は、100社以上の大型国有企業を監督する国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)の蘇州支部との合弁企業だ。
上海で事業開始することで、SAIC Mobilityは、同じく自律走行型配車サービス「Apollo Go」を展開する百度などの大手企業との競争にさらされることになる。