アジア太平洋のベンチャー投資は2021年Q3までで1,520億ドル超え
アジア太平洋地域のベンチャーキャピタル(VC)取引が記録的な年となったことが、市場調査会社Preqinの報告書で明らかになりました。
アジア太平洋地域のベンチャーキャピタル(VC)取引が記録的な年となったことが、市場調査会社Preqinの報告書で明らかになりました。
報告書によると、アジア太平洋地域のVC案件は、2021年の最初の9カ月間だけで1,520億米ドルに達し、前年を28%上回り、2018年に記録した1,520億米ドルを超えることになりました。
「これは、マクロ経済の逆風に直面してファンドマネジャーがリスク回避姿勢を強め、収益性の可能性が高い後発の企業への資本注入を好むようになったためと考えられます」と報告書は指摘しています。 このような背景のもと、東南アジアでは引き続き取引が活発に行われています。
Grab、GoTo Group、Seaという3つの「デカコーン」の成長により、これらの企業がIPOに代わる手段として小規模な新興企業を買収することで、M&Aの連鎖が起こりそうです。また、プレキンは、シンガポールやインドネシアを中心に、Grabに続いて東南アジアの新興企業がSPAC上場を目指すと見ています。
Preqinが11月に実施したプライベート・エクイティ・ファンドマネージャーの調査では、来年1年間に中国をターゲットにすると答えたのは27%で、これは1年前の55%よりも低い割合でした。ディールメイキングの高揚感にもかかわらず、VCが調達したアジアに特化した資本は2021年には減少し、286のファンドが400億米ドルを調達しました。
とはいえ、フィンテック、エドテック、テレヘルス、デジタルペイメントといった魅力的なテーマがあることから、Preqinは東南アジア、インド、中国におけるVCの継続的な成長を楽観視しています。 例えば、シンガポールのJLファミリーオフィスは、2020年9月にPEVC(プライベート・エクイティ・ベンチャー・キャピタル)部門であるOdyssey Venture Holdingsを設立し、シンガポールや米国のアーリーステージのファンドに投資しています。 「アジア太平洋地域の富の増加とファミリーオフィスの関与の増加は、同地域のVC運用資産の増加の重要な要因となる可能性がある」と報告書は述べている。