ソフトバンクG、出資先英フィンテックと紛争:銀行免許取得に絡む優先株放棄で
ソフトバンクグループ(SBG)は出資先のフィンテック新興企業Revolutと紛争を抱えた。出資時の企業価値4.6兆円が、半分以下まで落ちたと取り沙汰される中、株主間紛争が加わり、SBGの頭痛の種が増えた。
ソフトバンクグループ(SBG)は出資先のフィンテック新興企業Revolutと紛争を抱えた。出資時の企業価値4.6兆円が、半分以下まで落ちたと取り沙汰される中、株主間紛争が加わり、SBGの頭痛の種が増えた。
Revolutは、英国を拠点に銀行業務や決済などの金融サービスを提供するフィンテック企業だ。同社は2年以上前から英中銀から銀行免許を取得しようとしている。同社は、英国、米国、オーストラリア、シンガポールで事業を拡大するために、このライセンスを必要とする。
中銀はRevolutに、長らく延期されていた銀行免許を取得するために所有権を簡素化するよう要求。大株主の一人であるSBGには、免許付与の条件として優先株式放棄を求められた。SBGはこれに同意したことに対する補償をRevolutに要求している、とフィナンシャル・タイムズは報じている。
RevolutはSBGが塩漬けにしている大量のユニコーンの1つだ。2021年6月にRevolutは、SBGのソフトバンク・ビジョン・ファンド2を含む投資家から、330億ドルの評価額で8億ドルを調達した。だが、フィナンシャル・タイムズの関連メディアであるShiftedの取材によると、世界有数の未上場株取引所であるSetter Capitalは、Revolut株を50%以上の割引価格で上場させているという。2人のフィンテック投資家もSiftedに対し、Revolutの既存株主の多くがすでに社内で値下げしていると語っている。
Revolutは黒字化してはいる。2021年には収益が6億3,600万ポンドとなり、前年比約3倍になったおかげで、3,900万ポンドの税引き前利益を初めて計上した。
ただ、3月、監査法人BDOは、外国為替や暗号通過を含む2021年に計上された4.7億ポンドの収益を完全に検証することができないと警告した。 同年、Revolutは英国金融行動監視機構(FCA)による調査の対象となっていた。