アリババとテンセント、アルゴリズムの詳細を北京当局に初めて公開

中国のテクノロジー大手は、北京が国内のインターネット部門に対する監視を強化しようとしている中、アルゴリズムの詳細を国の規制当局と共有した。

アリババとテンセント、アルゴリズムの詳細を北京当局に初めて公開
出典:Tencent

中国のテクノロジー大手は、北京が国内のインターネット部門に対する監視を強化しようとしている中、アルゴリズムの詳細を国の規制当局と共有した。

中国で最も強力な規制当局の一つである中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は、電子商取引企業のアリババやゲーム大手のテンセントなどの企業から、30種類のアルゴリズムとその目的の簡単な説明をまとめたリストを先週金曜日に公開した。公開されたリストは実際のコードを明らかにしておらず、インターネット企業がどの程度、基礎となるソフトウェアを規制当局に内密に公開しているかは明らかではなかった。

このリストで明らかになったのは、簡易な情報に過ぎない。

例えば、インターネット検索企業の百度が、同社のニュースサイト「百度百科」やオンラインフォーラムなどのサービスに投稿されたコンテンツがもたらすセキュリティリスクを評価するアルゴリズムを持っているということだ。このアルゴリズムにより、スタッフは何が読まれ、何が削除されるに値するかを判断することができる。

テンセントのWeChatでは、ユーザーの閲覧履歴や視聴しているコンテンツなどから収集したおすすめ情報にパーソナライズド・プッシュ・アルゴリズムを適用し、グラフィック、テキスト、ビデオコンテンツを推奨している。

抖音(TikTokの中国版)は、グラフィック、ビデオ、製品、サービスの推薦を適用し、ユーザーの履歴にあるクリック、継続時間、いいね、コメント、リレー、嫌いなどの行動データに基づいてコンテンツを推薦する。また、このアルゴリズムを使って、動画、ニュースのヘッドライン、商品の推薦にカスタムコンテンツをプッシュしている。

アリババ傘下のECサイト「Tmall」では、ユーザーのクリック、購入、販売量などのデータをもとに、ソート選択型のアルゴリズムを適用して商品をランク付けしている。

Read more

AI時代のエッジ戦略 - Fastly プロダクト責任者コンプトンが展望を語る

AI時代のエッジ戦略 - Fastly プロダクト責任者コンプトンが展望を語る

Fastlyは、LLMのAPI応答をキャッシュすることで、コスト削減と高速化を実現する「Fastly AI Accelerator」の提供を開始した。キップ・コンプトン最高プロダクト責任者(CPO)は、類似した質問への応答を再利用し、効率的な処理を可能にすると説明した。さらに、コンプトンは、エッジコンピューティングの利点を活かしたパーソナライズや、エッジにおけるGPUの経済性、セキュリティへの取り組みなど、FastlyのAI戦略について語った。

By 吉田拓史
宮崎市が実践するゼロトラスト:Google Cloud 採用で災害対応を強化し、市民サービス向上へ

宮崎市が実践するゼロトラスト:Google Cloud 採用で災害対応を強化し、市民サービス向上へ

Google Cloudは10月8日、「自治体におけるゼロトラスト セキュリティ 実現に向けて」と題した記者説明会を開催し、自治体向けにゼロトラストセキュリティ導入を支援するプログラムを発表した。宮崎市の事例では、Google WorkspaceやChrome Enterprise Premiumなどを導入し、災害時の情報共有の効率化などに成功したようだ。

By 吉田拓史