メタとグーグルの決算は、デジタル広告市場の反騰を物語る?
メタ、グーグルの親会社アルファベット、Snap(スナップ)が今週発表した決算では、3社の主要な収益源の広告が成長し、デジタル広告市場が反騰するシグナルと捉える向きがある。
メタ、グーグルの親会社アルファベット、Snap(スナップ)が今週発表した決算では、3社の主要な収益源の広告が成長し、デジタル広告市場が反騰するシグナルと捉える向きがある。
- メタは、2023年7月から9月までの四半期で、上場以来最大の売上高である341億ドルを記録した。これは、前年同期比で23%以上の増加であり、2022年後半以降の事業縮小からの回復を示している。
- アルファベットの第3四半期の売上高は前年同期比11%増の770億ドルで、検索とYouTubeの大幅な伸びに牽引された。広告売上は前年から51億7,000万ドル増加し、YouTubeの広告売上は79億5,000万ドルと、2022年の70億ドルから増加した。
- 第3四半期の売上高は11.9億ドルで、前年同期の11.3億ドルから増加し、ウォール街の予想11.1億ドルを上回った。同社はまた、比較的楽観的なガイダンスを提示し、さらなる成長の可能性を示唆した。スナップはここ数カ月苦戦していたが、今期の業績は曲がり角にきているのかもしれない。
この2年以上を停滞の中で過ごしてきたデジタル広告業界にとっては、歓迎すべき兆候だったはずだ。各社は、パンデミックのブーム後のオンライン・マーケティング支出の後退、刻々と変化する経済の不確実性、アップルのプライバシー・ポリシーの変更に対処しなければならなかった。
アルファベットの成長を牽引したのは小売セクターで、AIを活用したソリューションがグーグルのプロパティ全体の広告キャンペーンを最適化し、小売業者のコンバージョンとROIの向上に貢献している、という。アルファベットの収益の柱である北米と欧州は、今後、ブラックフライデーやクリスマスのような商戦を控えており、この小売セクターの行方に注目が集まる。
メタが言及したファクターは、中国企業の海外展開だ。メタのスーザン・リーCFOは、オンライン商取引とゲームセクターは、「中国の広告主が他の市場の顧客に向けて支出した恩恵を受けている」と決算説明会で語った。中国企業はフェイスブックやインスタグラムのようなメタのプラットフォームで大金を使い、世界中にいる数十億人のユーザーにターゲットを絞った広告を配信したということだ。
このような中国企業の動きは枚挙にいとまがない。TikTokは米オンラインメディアへの極めて積極的な広告支出を行ったことで今の地位を築いたと言われる。最近、米国ではEC大手「拼多多 」が展開するTemu(ティームー)が急激に利用者を拡大しているが、広告支出が非常に積極的だ。
メタの地域別では、世界のその他の地域が36%と最も強い伸びを示し、次いで欧州が35%、アジア太平洋地域が19%、北米が17%だったとリーは述べた。リーは電話会議で、将来は予測不可能だとアナリストに語った。「我々はマクロ環境の変動に非常に左右される」とリーは語った。2024年については、「収益の見通しは不透明」。
一方、ハマス―イスラエル戦争の影響は暗い影を落としているだろう。「中東での戦争が始まって以来......主にブランド訴求のキャンペーンの多くが、初期に支出を一時停止している」と、スナップのデレク・アンダーセンCFOはアナリスト向け電話会議で述べた。「これらのキャンペーンの多くが支出を再開しているが、最近になってごく少量のキャンペーン休止が見られるようになった」と述べた。