シーインが4月の評価額より300億ドルも低い金額で入札中

中国のファストファッション新興企のシーイン(SHEIN)の株式売却を検討している投資家は、中国のファストファッション大手の成長鈍化が懸念される中、4月のバリュエーション1,000億ドルに対して約30%のディスカウントを受け入れている、とSouth China Mornig Postは関係者を引用して報じた。

シーインが4月の評価額より300億ドルも低い金額で入札中
出典:シーイン

中国のファストファッション新興企のシーイン(SHEIN)の株式売却を検討している投資家は、中国のファストファッション大手の成長鈍化が懸念される中、4月のバリュエーション1,000億ドルに対して約30%のディスカウントを受け入れている、とSouth China Mornig Postは関係者を引用して報じた

報道によると、非公開企業の現株主の中には、将来の新規株式公開(IPO)に先立ち、現金化を検討する者もいるが、買い手と売り手の評価額の差は、あらゆる取引のハードルとなっているという。

売れ行きの鈍さやシーインの環境・社会・ガバナンス(ESG)の実績に対する批判は、IPOのスケジュールやバリエーションに影響を与える可能性があると、関係者は指摘する。これらの要因は、ハイテク企業の最近の市場の混乱とともに、少なくとも株式の一部を非公開で売却するかどうかについて、一部の投資家の考え方に影響を与えているという。

急成長を遂げ、瞬く間に世界で3番目に価値のあるスタートアップとなったシーインは、2020年の250%の急増から2021年には60%程度に年間売上高の伸びが鈍化。同社は、コロナのロックダウンが電子商取引需要の波を加速させた2020年の100億ドルから、2021年には少なくとも160億ドルの売上高を見込んでいる。同社は、4月に1,000億米ドルのバリュエーションを正当化するために十分な業績を上げる必要に迫られている。現在の投資家には、Tiger Global Management、IDG Capital、Sequoia Capital Chinaなどがいる。

今年初めの最新の資金調達ラウンドの一環として、シーインは既存の投資家に対し、早ければ2024年に米国でIPOを行いたいと伝えたとCNBCは報じている。

Read more

OpenAI、法人向け拡大を企図 日本支社開設を発表

OpenAI、法人向け拡大を企図 日本支社開設を発表

OpenAIは東京オフィスで、日本での採用、法人セールス、カスタマーサポートなどを順次開始する予定。日本企業向けに最適化されたGPT-4カスタムモデルの提供を見込む。日本での拠点設立は、政官の積極的な姿勢や法体系が寄与した可能性がある。OpenAIは法人顧客の獲得に注力しており、世界各地で大手企業向けにイベントを開催するなど営業活動を強化。

By 吉田拓史
アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表  往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表 往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

アドビは4月10日、日本語のバリアブルフォント「百千鳥」を発表した。レトロ調の手書き風フォントで、太さ(ウェイト)の軸に加えて、字幅(ワイズ)の軸を組み込んだ初の日本語バリアブルフォント。近年のレトロブームを汲み、デザイン現場の様々な要望に応えることが期待されている。

By 吉田拓史