中国は日本のバブル崩壊を再現しかねない

中国の不動産市場は経済成長を象徴するセクターだった。いまそのバブルが弾け、経済危機に繋がりかねない。長期の経済停滞を引き起こした日本のバブル崩壊の亡霊が漂う中、中国政府は最悪シナリオをどう回避するのか?

中国は日本のバブル崩壊を再現しかねない
2021年9月28日火曜日、中国青海省西寧市の南川地区における建設現場と新しい住宅開発の航空写真。Qilai Shen/Bloomberg

中国の不動産市場は経済成長を象徴するセクターだった。いまそのバブルが弾け、経済危機に繋がりかねない。長期の経済停滞を引き起こした日本のバブル崩壊の亡霊が漂う中、中国政府は最悪シナリオをどう回避するのか?


経営難に陥った中国の不動産会社の債権者が支払いを求めて裁判を起こすケースが増えている。9月7日時点で、デベロッパー大手のサナック・チャイナ(融創中国)を含む6社が提訴されたようだ。サナックは「第2の恒大集団」と呼ばれている。

中国の不動産危機について、日本の不動産バブルの崩壊との類似性を指摘する言説は少なくない。

フランスの投資銀行ナティクシス・コーポレート&インベストメント・バンキングでアジア太平洋地域のチーフエコノミストを務めるアリシア・ガルシア・エレロは「物価が非常に低いと、資産価格のインフレを引き起こすことはよく知られている。日本で起こったことであり、中国で起こりうることだ。中国は多くの理由でデフレ圧力にさらされている。一つは高齢化であり、もう一つはバブル崩壊だ。資産価格の構造的な是正、特に不動産価格の是正が必要なように思われる」と香港紙SCMPに対して述べている。

1980年代、日本人は過剰な貯蓄と金融緩和政策で、国民は不動産を買い続けた。その結果、1980年後半には不動産価格が上昇し続けるという投資家の思惑から、大規模な不動産バブルが発生した。このバブルが日本の「失われた10年」につながり、経済成長は停滞し、デフレが一貫して続いた、とナティクシスは書いている。

中国の場合、過剰な債務を抱えるデベロッパーは、北京の中国当局が2020年夏に導入した不動産融資規制「三道紅線」(3つのレッドライン)によって針のむしろとなっている。中国恒大集団集団やその他の中小デベロッパーは追加の融資を受けることができず、債券の支払いが滞っている。

不動産危機と呼応するように、中国の地方政府が依存する土地使用権譲渡収入が、2022年に7年ぶりに前年を下回るとの見方が広がっている。財政部によると、1〜6月の収入は前年同期を31%下回った。政府の規制強化でデベロッパーが金不足に陥り、新築マンション開発に必要な土地の需要が減少している。地方政府の財政難が深刻化すれば、習近平政権が掲げる国内経済の刺激策も頓挫しかねない。

ブルームバーグエコノミクスのチーフエコノミスト、トム・オーリックは、独自の方法で中国の不動産プロジェクトの進捗が著しく停滞しているデータを得た、とポッドキャストで語っている。彼が中国本土に調査員を派遣して取得した過去のデータでは、プロジェクト開始から3年後には80%の完成率があったが、2021〜2022年のデータを見ると、完成率は50%まで下がっている、と彼は指摘した。

「家を建てるのにいくらかかるか、住宅購入のうち平均していくら住宅ローンで賄われるかがわかっているので、80%の完成率から50%への落ち込みを利用して、問題の大きさを算出できます。その結果、今、未完成の物件に付いている抵当権の価値は約1兆6,000億元であることが分かりました。これは中国のGDPの約1.4%に相当し、中国経済や金融システムのシステミックな問題になるほどの規模であることは間違いありません」。

もし問題が放置され、その50%の完成率が2024年末まで維持されると、問題の規模は4兆4千億(元)になり、中国のGDPの4%に近くなる、という。したがって、政権が問題を看過する選択肢はなさそうだ。

オーリックは、中国政府が不動産バブルを見過ごして経済危機を招くことと、2008年の大型の刺激策をとることの中間を探っている、と推測している。「2008年末に温家宝首相が発表したようなショックや景気刺激策を聞きたいのでしょうが、そのような発表はないでしょう。 中国は持続不可能な好景気を再び繰り返したくはないでしょうが、中国政府が『何もしない』ことで、不動産部門がメルトダウンするという悪夢のようなシナリオが展開されるわけでもないのです」

中国政府の介入によって、最悪のシナリオを免れると考えるのはオーリックだけではない。シンガポール国立大学不動産・都市研究所のシン・ティエン・フー所長兼教授は、「不動産市場は中国経済の上流・下流産業と強く結びついている」とSCMPに対し語っている。「不動産債務問題の悪化が止まらない場合、経済に大きな打撃を与える可能性がある 」

これらを踏まえると、中国政府は、日本のような不動産バブルや、2007年のアメリカのサブプライム危機の再来を防ぎ、金融市場を安定化するために介入する可能性が高いと、シン・ティエン・フー教授は述べた。

ナティシスのシニアエコノミスト(日本・太平洋地域)、岩原宏平は、中国も日本のような不動産バブルと経済停滞への道を避けることができるかもしれない、と指摘する。「1990年代後半の日本と比べて、中国はマクロプルーデンス政策がより確立されており、倒産や不良債権に関する法的枠組みも整っている」と岩原は言う。「中国は不動産市場の供給をコントロールする手段も持っている。要するに、中国は国家の手中にある資源をより多く持っており、それを動員して需要と供給に影響を与えることができる。それでも、社会全体にコストがかかることもあり、その動きはタダではありません」

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新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

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世界が繁栄するためには、船が港に到着しなければならない。マラッカ海峡やパナマ運河のような狭い航路を通過するとき、船舶は最も脆弱になる。そのため、スエズ運河への唯一の南側航路である紅海で最近急増している船舶への攻撃は、世界貿易にとって重大な脅威となっている。イランに支援されたイエメンの過激派フーシ派は、表向きはパレスチナ人を支援するために、35カ国以上につながる船舶に向けて100機以上の無人機やミサイルを発射した。彼らのキャンペーンは、黒海から南シナ海まですでに危険にさらされている航行の自由の原則に対する冒涜である。アメリカとその同盟国は、中東での紛争をエスカレートさせることなく、この問題にしっかりと対処しなければならない。 世界のコンテナ輸送量の20%、海上貿易の10%、海上ガスと石油の8~10%が紅海とスエズルートを通過している。数週間の騒乱の後、世界の5大コンテナ船会社のうち4社が紅海とスエズ航路の航海を停止し、BPは石油の出荷を一時停止した。十分な供給があるため、エネルギー価格への影響は軽微である。しかし、コンテナ会社の株価は、投資家が輸送能力の縮小を予想している

By エコノミスト(英国)
新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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1960年代以来、世界中のエンジニアが回転デトネーションエンジン(RDE)と呼ばれる新しいタイプのジェット機を研究してきたが、実験段階を超えることはなかった。世界最大のジェットエンジン製造会社のひとつであるジー・エアロスペースは最近、実用版を開発中であると発表した。今年初め、米国の国防高等研究計画局は、同じく大手航空宇宙グループであるRTX傘下のレイセオンに対し、ガンビットと呼ばれるRDEを開発するために2900万ドルの契約を結んだ。 両エンジンはミサイルの推進に使用され、ロケットや既存のジェットエンジンなど、現在の推進システムの航続距離や速度の限界を克服する。しかし、もし両社が実用化に成功すれば、超音速飛行を復活させる可能性も含め、RDEは航空分野でより幅広い役割を果たすことになるかもしれない。 中央フロリダ大学の先端航空宇宙エンジンの専門家であるカリーム・アーメッドは、RDEとは「火を制御された爆発に置き換える」ものだと説明する。専門用語で言えば、ジェットエンジンは酸素と燃料の燃焼に依存しており、これは科学者が消炎と呼ぶ亜音速の反応だからだ。それに比べてデトネーシ

By エコノミスト(英国)
ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

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By エコノミスト(英国)