マクロ経済
金融緩和を求める声に屈したFRB:ハト派的な政策決定は時期尚早か[英エコノミスト]
2023年のほとんどの期間、主要中央銀行は利下げが間近に迫っているという投資家の賭けを受け流してきた。それが12月13日、米連邦準備制度理事会(FRB)が2024年に4分の3ポイントの利下げを実施するとの見通しを示したことで、市場のハト派的な見方がほぼ支持され、歓喜に沸くウォール街で買いが殺到した。 パウエル議長は今月初め、利下げ時期について議論するのは時期尚早だと述べていたが、現在はパンデミック後にインフレ率が急騰して以来初めて、利下げが検討されているという。 金融緩和に向けた世界的な動きが始まる可能性はあるのだろうか? 12月14日にはイングランド銀行と欧州中央銀行が金融政策決定を発表する予定(※編注:本記事は日本時間14時に公開された)だが、今週までのパウエル総裁のように、利下げが差し迫っているとの見方に反発していた。皮肉なことに、パウエル議長はインフレに関する最近の好材料が今後も続くことに賭けている。 この方向転換の主な要因は、インフレ率が急速に低下していることだ。2022年の5.1%に対し、2023年の米国の基調的なインフレ率(いわゆる「コア指標」)は、F